サラダチキンにカラムーチョ味が出た!(ファミマ、サークルK、サンクス限定)
大変なことが起こりました。
筋トレ愛好家の中では神フードである「サラダチキン」
コンビニに入った時に店員さんに「こいつ、絶対サラダチキン買いに来たな」と思われることは非常に誇らしいことだと思いますが(違いますか?)
そんなことはさておき、
国産鶏サラダチキン カラムーチョ ホットチリ味
が出ました!
湖池屋とファミマのコラボ商品だそうで、
食べてみましたが…
塩分は、プレーン味に比べて少し控えめ、からさは万人ウケを考えたのかまずまずでした!
私は蒙古タンメン中本の北極ラーメンは辛さ3倍がデフォルトの人間なので、むしろ甘い?くらいに感じましたが(ウソです)、一般的なピリ辛よりもう少し辛いくらいですね!
でも美味しいですよ。
サラダチキンを愛する身としては、
プレーン、ハーブ、タンドリーチキン、柚子胡椒
に加えて5つ目の味。
これで月から金まで大丈夫ですね^_^(何が?)
尚、胸肉はビタミン類が少ないので、ブロッコリーの入ったサラダなどを一緒に買うと筋肉的はgoodです。
そして、このコンビニのサラダチキンは一食の糖質を5g以下にしなければならないケトン食ダイエットにも有効です!
糖質はほかのサラダチキン同様に1g程度、素晴らしい。
ちなみに、ケトン食ダイエットはこちらをどうぞ!
すぐにわかるケトン食ダイエット(ケトジェニックダイエット)のまとめ〜筋トレ、栄養学好きの脳外科医がダイエットを語る、その2〜 - 脳外科医もつの日常
ということで、雑記な内容でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
最強・確実なダイエットとは正しいダイエットの習慣化である。まずはMyfitnessPalとカロリーSlimをスマホにいれよう!
こんにちは
今回は私も実践している食事管理の方法につきまして記載してみたいと思います。
いわゆる「食事内容を記録して痩せるメモリーダイエット」寄りの内容になります。
日常業務が忙しいということ、外科医の性格上気が短いのでめんどくさいことが嫌い…そんな私が継続しているのがMyFitnessPalとカロリーSlimの併用による食事管理です。
1:MyFitnessPalについて
MyFitnessPalとはUNDER ARMOURというアメリカのスポーツ用品メーカーの開発したアプリであります。まあ正直、食べたものの記録ができればどんな方法でもいいと思いますが、これはスマートフォンのカメラでバーコードを読むことで簡単に食品のカロリーやマクロ栄養素をカウントしてくれるのでお気に入りです。簡単なんです、非常に。
忙しいと、いちいち買った食品の栄養素やらカロリーを入力するの面倒くさいじゃないですか。サイトは下記です。
使い方についての詳細は「MyFitnessPal 使い方」とでも入力していただければわかりやすいホームページが沢山でてきますので、こちらでは割愛します。
2:カロリーSlimについて
で、もうひとつがカロリーSlimですね。
これはアプリではないので、待ち受け画面にブックマークして使っています。
大体MyFitnessPalで十分なんですけど、カロリーとかわからないときがありますので、そういうときはこちらも参照しています。慣れてくると、見た目で料理のグラム数とかカロリーがなんとなく想像できるようになります。
3:実践編
単純にカロリー、マクロ栄養素を計算していくだけです。
効果はほぼ必ずあります。
まず、ダイエットの大原則ですが、
消費カロリー > 摂取カロリー
であれば痩せるのです。
うまくいかないのは
消費カロリー ≦ 摂取カロリー
となっているからですよね。なので、まずは自分の食べているものがどれくらいのカロリーなのか把握することが大事です。記録することで食べ過ぎもいくらか予防できますし、このようなアプリを使うことで、外食のときも食べているもののカロリーを考えることができます。
とにかく、おおよそでもいいから食事内容を把握することです。
FyfitnessPalやカロリーSlimを使っても100%正確にあなたが摂取しているもののカロリーや栄養素を記録することは困難です(完全にコンビニ食にするなどは別ですが)
一部の人を除き、超正確にカロリーやマクロ栄養素の計算をする必要はないのです。
はっきり言って楽なダイエットはないし、某サプリH◯Bのプロテイン20杯分みたいなものを信じではいけない。
(いや、H◯B、まったく効果ないわけじゃないけど、まずはプロテインだし、クレアチン、BCAA、マルチビタミン、CLA、フィッシュオイルといか…もっと優先したいサプリあるしね。)
4:食事管理と運動について…効果的なのは?
1万歩あるくのがいいの?
ヒトの歩幅は70cm、1万歩は70cm ×10000=7kmに相当しますよね。
体重60kgの人が時速4.8kmで90分あるくと7.2kmで約330kcalです。
気分転換でのウォーキングはいいのですが、ダイエット目的ではあまり効率的ではありません。
ランニングは?
ランニングのカロリーはやや誤差がありますが 体重(kg)×距離(km)で概算できます。
体重60kgの人が時速8kmで30分走ったとして、240calの消費です。30分走っておにぎり1個分のカロリー消費ですね。コストパフォーマンスが悪いです。しかも代謝があまり上がるわけではないのでやめればリバウンドしやすいのです。
筋力トレーニングは?
30分以上の全身をつかった筋力トレーニングはそれ自体の消費カロリーが200-300kcalくらいはありますし、アフターバーンといって2割くらい代謝がアップした状態が48時間持続するという説があります。なかなかアフターバーンを定量するのは難しいですが、これを鵜呑みにしますと
60kgの人が30分筋トレをがんばったとして、筋トレそのもので200-300kcal消費、アフターバーンでさらに一日300kcal程度の消費×2日間あるわけです。
同じ時間かけてランニングの3倍のカロリー消費になります。
そして代謝が上がってるのでリバウンドもしにくい。
今年の日本性機能学会で報告されましたが、
ランニングのやり過ぎはテストステロン(男性ホルモン)を低下させる!
マラソン大会にでるような人で、月に250km±50km走っている人では心血管の負荷と性機能の低下がおこるらしいのです。
それにくらべ、筋力トレーニングはテストステロンは逆に上昇します。そしてドーパミンなど「やったるぞ!」ホルモンもさらに出るので色んな意味で元気になります。
どうでしょう?時間あたりの消費カロリーやリバウンドのしにくさ、コストパフォーマンスや副次的な効果を考えたら筋トレがベストです。
筋トレを意識しだすとさらに栄養面が気になり、食品のカロリーなど知識も増え、睡眠時間も確保するようになり、さらにはお酒の付き合いも筋肉のために以前より遠慮するようになるため、どうしても健康になります。
結論
結局のところダイエットが成功する一番の秘訣は、ダイエットの習慣化です。
これにつきます。食事管理を習慣化するために、上記のようなアプリが有用であり、また運動について知識を得ることでさらにダイエットは効果的に進みます。
お試しあれ!ちゃんとやれば必ず効果はでます。まずはアプリをダウンロードし、食事管理の習慣化からはじめましょう。はじめは朝食や昼食だけというやり方でもOKです。自分のペースで始めればいいのです。
加えて運動もプラスするとさらに効果アップ
体重60kgの人で
余談:ダイエットが全然効果出ない人も医学的にはいる!?
ちなみに食事制限+筋トレで効果のでにくい人ですが、
甲状腺機能低下症、ステロイド内服中の人などが可能性あるかもしれません。
あまりにも気になるようでしたら内科受診もご検討ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
こんな記事も書いています。
さらにダイエットを効率化するためにあなたの体質にあったダイエットを。
台風21号の威力。外出はやっぱり危険だった!〜当直での一コマ〜
本日昼前にはすっかり台風一過の晴天な東京都心です。
風はありますが、ひさびさの青空を見たって感じで気持ちいいですね。
(⬇台風って衛生からみるとこんなふうに写るんですね…)
当直の話
さて、当直明けのだったのですが、朝に救急隊から連絡がありました。
「交通外傷でお願いいます」
と。聞くと、運転中に気が倒れてきて車が大破、中にいた人を診てほしいとのことでした。
そのまま救急外来に搬送してもらい、診ますと幸い軽症だったのでそのままご帰宅となりましたが、震えたのは救急隊の方が撮影した現場の写真です。
比較的舗装された大きな通りの大木が、根元からがっぽり折れているではありませんか。
さすが台風21号、920ヘクトパスカルでしたっけ?強力ですね。
フロントガラスはバリバリに割れ、乗車スペースもぺしゃんこでした。幸い後部座席はほぼ無傷。なのに後ろに載っていたお子様は口を怪我していました。ご飯食べていたみたいです。普通に口を切ったのですね。。。
幸い乗車していた大人と子供は軽症でしたが、当たりどころが悪かったら重症でしたでしょうに。不幸中の幸いでした。
しかし、強風は残っていたとはいえ、まさか運転中に木が自分の方に倒れてくるとは夢にも思わなかったでしょう。
都心の電車もかなり乱れていて通勤には時間がかかりました。
台風後もしばらくは油断せず、生活しなければなりませんね。
ある日の外来の話〜ふらつきで悩む患者さん、いらない薬はバッサリ切る!〜
外来に来た患者さんの話です。
この方は転居に際し、今まで通院していたかかりつけ医の紹介状をもって私の外来に来院されました。
なんでも、脳梗塞の既往があるから…らしいです。
一般的に脳梗塞後しばらく経った患者さんは頸動脈狭窄症や頭蓋内の血管狭窄など、今後手術を行う可能性のある方につきましては定期的な画像検査(MRI、CT、エコーなど)は脳神経外科外来で行うことがありますが、日々の投薬については開業医の先生に一任することが多いと思います。
というのも、脳梗塞を経験した患者さんは高血圧、脂質異常症、糖尿病、心不全などの薬を飲んでいることが少なくなく、再発予防も血をサラサラにするお薬(抗血栓薬)を継続することも含めて内科的管理が中心になるからです。
脳梗塞や脳出血はやはり高齢者におおく、患者さんは頭以外の病気もいつなってもおかしくありませんので、そういった意味でもやはり相談しやすい開業医の先生、いわゆるかかりつけ医を作っていただくのが良いを考えます。
患者さんは80代女性でふらつくときが今でもあるという相談もされました。
内服は
血圧の薬(ドキサゾシン)、糖尿病の薬2剤(メトホルミン、チアゾリジン)、抗血栓剤2剤(チクロピジン、シロスタゾール)、高脂血症の薬(スタチン)、貧血の薬(鉄剤)など漢方も含めれば計7種類飲んでいました。
びっくりしたのは抗血栓薬を2つも飲んでいたことです。現在、安定した脳梗塞の患者さんについては血をさらさらにする薬(抗血小板剤について)は1剤で良いとなっていますし、以前の私のブログでも記載しましたが、後期高齢者は消化管出血を起こしやすい理由で血をサラサラにする薬と一緒に胃薬を使うべきですが、それがないのです…2剤も飲んでいるのにですよ!。
聞くと、脳梗塞といわれたのはただめまいがあったからというだけでもう10年以上も前の話と言うじゃありませんか。
MRIでも過去の脳梗塞の痕跡や頭の血管に狭いところもありません。以前のめまいは脳の血流が原因ではない気がしました。そして糖尿病の検査もHbA1Cは5.9%。これもブログで記載しましたが、高齢者の2型糖尿病はHbA1Cは7.5%を超えていてもいいのです。
そういった点から
- ふらつきは脳の問題ではなく多剤内服の可能性がある
- 高齢者でふらつき、転倒してしまうと骨折や頭蓋内出血のリスクがある
- 患者は2剤も血をサラサラにする薬を飲んでいて出血しやすいばかりか、そもそも脳梗塞ではなかった可能性も高い。
- 血糖値は高くないため、糖尿病の薬は減薬できるし、そうすることで多剤内服による副作用の問題も多少解決できる
ということでまず、
- チクロピジンとシロスタゾールという2つの血をサラサラにする薬は中止。
- 採血でコレステロール血も高くなかったため一旦スタチンも中止。貧血も改善しており、一旦中止し、次回の採血結果をみる。
- 血圧も高くなかったためドキサゾシンも中止。
- 糖尿病の薬は副作用が多彩なチアゾリジンは即中止、メトホルミンも中止してみて次回の採血で血糖値が高ければ再開
・・・とし、結局漢方以外何も飲まないことになりました。
次回の採血で貧血の値、血糖値、脂質の値次第では一部再開もありえますが、ひさびさにこんなに内服薬を整理しました。
この手の相談は少なくないです。
「ふらつき、めまい」で脳外科へ紹介される先生は多いのですが、実はご自身の処方の多さが患者さんの不調の原因になっている…なんてこともあるかもしれません。
高齢者は出来れば内服は5つ以下にしたいですね。心臓関係の薬は減らしにくいのでそこは詩のしょうがないと思いますが。
今回に関連した過去記事は下記です。
motsutaro.hatenablog.com
motsutaro.hatenablog.com
motsutaro.hatenablog.com
最後まで読んでいただきありがとうございました。
脳ドック等で未破裂脳動脈瘤と言われたら?〜精神的問題、生命保険の問題が生じる!?〜
こんにちは。
今回は非常に大事な話題についてお話します。
我々脳神経外科の外来でよく経過観察する患者さんで未破裂脳脈瘤の方がいます。
未破裂脳動脈瘤については色々なホームページに載ってますので、ここでは簡単な記載にとどめておきます。ご存知の方は読み飛ばしていただいてかまいません。
未破裂脳動脈瘤について:基本事項
未破裂脳動脈瘤とは?
脳の動脈にできる小さな膨らみ(=瘤:こぶ)のことです。
成人では100人のうち数人がもっており、MRIやCT検査でたまたま発見される場合がほとんどです。中には動脈瘤が神経を圧迫してその障害を生じてみつかる場合もあります。
ウィリス輪という脳の底部にある動脈の分岐部にできることが多いです。(下図参照)
未破裂脳動脈瘤を放置したらどうなるの?
基本的に無症状ですが、破裂するとクモ膜下出血を発症します。
クモ膜下出血は発症すると死亡もしくは重篤な後遺症を生じてしまう非常に怖い病気です。
転帰は、
- 発症してから病院に到着する前に亡くなる方・・・25%
- 病院到着後に死亡もしくは重度の後遺症の方・・・30%
- 何らかの障害はあるものの身の回りのことは自立できる人・・・25%
- 障害なく回復する人・・・25%
くらいです。
ですから、病院到着後に医師の説明では「死亡1/3、寝たきり1/3、社会復帰もしくは自立が1/3」と説明されることが多いようですが、おおよそ間違ってはいないと思います。
未破裂脳動脈瘤からのクモ膜下出血の発症率については瘤の位置や形状、大きさにより変わりますので一概にまとめるのは難しいのですが、ざっくり言うと年に1%程度と患者さんには説明しています。
どんな未破裂動脈瘤が危険性が高いのか?
- 大きい(7㎜以上)
- 後ろ側の瘤(脳底動脈瘤、内頚動脈ー後交通動脈瘤)
- 前交通動脈瘤
- 形が不整、ブレブを伴う(瘤からまた小さな瘤がでている)など
- 複数ある
- 高血圧、喫煙、多発性嚢胞腎
- 家族歴(特に兄弟にクモ膜下出血がいる)
などです。
未破裂脳動脈瘤の治療は?
開頭手術と血管内手術があります。
開頭手術
全身麻酔で、頭を切って、直接脳をかき分けながら、脳の奥にある動脈瘤の根元にクリップをかけて瘤への血流を遮断することで破裂予防する方法が一般的です。しかし瘤の根本でクリップをかけることが困難な場合は大本の血管をクリップで閉塞させたり、それにバイパスを併用する方法もとることがあります。
血管内手術
カテーテルを瘤の近くまで進めて、コイルという金属を瘤に詰めて瘤への血流を遮断する方法です。バルーンやステントを使用することもありますし、近年ではフローダイバーターという大きなステントを瘤をまたぐように大本の血管に留置して瘤をゆっくり閉塞させる方法も一部の施設では行われています。
また、開頭手術同様に瘤自体にアプローチできない場合は、コイルで大本も血管つめるインターナルトラップという方法もとることがあります。
さて、未破裂脳動脈瘤の概略、治療につきましてはここまでにしてようやく本題に入ります。
脳ドック等で未破裂脳動脈瘤がみつかった!!
まず、脳ドックはむやみにやるべきではないと考えます。
以前ブログでお話したchoosing wiselyの話です。
そこにはこう書いてあります。
クモ膜下出血の家族歴のない人や脳動脈瘤のできやすい遺伝性疾患をもっている人でなければスクリーニングでの画像検査は習慣的にするべきではない
と。
動脈瘤のできやすい遺伝性疾患とは具体的に言えば
- 多発性嚢胞腎
- エーラスダンロス症候群 タイプⅣ
- マルファン症候群
- 弾性線維性偽性黄色腫
など。なんだか難しいし馴染みのない病気ですね。上記の中で多発性嚢胞腎やマルファン症候群は個人的には何度も経験がありますが。
そして、家族歴につきましては、3親等以内に2人くらいで考えています。
なので、上記の疾患や兄弟・親・いとこなどにクモ膜下出血が2人以上いれば家族歴ありとなるわけです。
未破裂脳動脈瘤と診断された場合の患者側の不利益は?
①患者さんのうつ症状、不安感が強くなることがある。
そりゃそうでしょう。破裂したら半数が死亡もしくは寝たきりになると言われるのですから。我々もその点は配慮して患者さんには説明しなくてはなりませんし、患者さん側のうつ症状などが強ければカウンセリングも考慮しなければなりません。
②保険において謝絶体になる
まず、
謝絶体とは?
→ 生命保険契約加入申込を行った被保険体の健康状態などにより危険の度合が高く、契約の引き受けができない場合をさします
ですので、保険加入後も告知義務が生じたり、新たに保険に加入しようとしても困難になってしまうケースがでてしまします。動脈瘤治療後5年経過していなければ保険加入が認められないなどもありますので、とりあえず未破裂脳動脈瘤と診断されたら、加入している保険会社の条件など確認するといいと思います。
外来での面談で伝えること、手術適応の考え方
これは文献やその施設ごとの方針などもありますが、
まずざっくりと、言います。UCAS JAPAN(ユーカス・ジャパン)という脳外科医だったら知らない人はいないだろうという超有名な報告があります。
これは日本において3mm以上の未破裂脳動脈瘤をもつ成人5720人、計6697個の動脈瘤を対象に見ていったところ、クモ膜下出血発症は111人、年間の出血率は0.95%だった。クモ膜下出血発症リスクは動脈瘤の形状、大きさ、場所による。
という内容です。
大きさ>3-4mmの破裂率を1とすると
- 5-6mmは1.13倍
- 7-9mmは3.35倍
- 10-24mmは9.09倍
- 25mm以上は76.26倍
場所>中大脳動脈瘤を1とすると
形>瘤の不整な突出がある場合は1.63倍
となります。
なので外来で患者さんと話する際、例えば40歳、脳ドックで内頚動脈ー後交通動脈分岐部に5mmで不整形の瘤がみつかったとしたら、
3-4mm 普通の中大脳動脈瘤よりも 1.13x1.9x1.63=3.5倍のリスクがあるということを念頭に置きながら説明します。
実は年間の出血率に関してはUCAS JAPANの論文に表がでていますので、実際は私をそれを参考にすることもあります。その表では上記の動脈瘤は年間破裂率は1%です。なので日本人女性の平均寿命87際まで生きると仮定すると生涯破裂率は1%×47=47%ということですね。(実際は数学的にもう少し数値は変わりますが)
結局のところ脳ドック学会や、脳神経外科学会のホームページをみますと
未破裂脳動脈瘤の自然歴(破裂リスク)から考察すれば、原則として患者の余命が10~15年以上ある場合に、下記の病変について治療を検討することが推奨される。
- ①5~7mm以上の未破裂脳動脈瘤
- ②上記未満であっても、
だそうですね。
なので、
70歳前後までで、瘤が大きくて、場所が悪い、形が悪ければ手術を考えましょう
ということです。
そうはいっても手術にはリスクもあるし、診断されることによる精神的負担や保険の問題を考えると個人的には、はたして患者さんが脳ドックでハッピーになるのかなぁと思ってしまいます。
治療せずにずっと画像検査だけみていくようなケースもあるわけですし。毎年動脈瘤が変化しているかドキドキなんて…どうですか?私は嫌です。
そう考えるとやはり、話はもどりますが、
家族歴や遺伝性疾患などのリスクのない健康な人は脳ドックはむやみにうけない
ということにつきる気がします。
今回の話のまとめ
・未破裂脳動脈瘤は1%が破裂して、半数が死亡もしくは寝たきりになるくも膜下出血を発症することになる
・未破裂脳動脈瘤は数%の大人はもっているが、偶然MRIやCTで見つかるとクモ膜下出血になるかもしれないという不安感やうつ症状の原因となりえる他に、治療されるまで保険加入が困難になってしまうケースがある
・治療のリスク、検査も含めた金銭的負担なども上記と合わせると、家族歴や遺伝性疾患ない健康な人はむやみに脳ドックを受けなくてもいいかもしれない
ちなみに、未破裂脳動脈瘤で手術せず外来でみていく場合は、血圧管理・喫煙を控える・過度の飲酒を控えるように言われると思います。そしてはじめは検査が少し頻回になるかもしれません。一回の検査ではその瘤が大きくなってきているものか、ずっと大きさの変わらないものか判断できないからです。
以上です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
こんな記事も書いています。
一時期、一世を風靡したヒアリの問題について対処法など書いています。
脳出血で失明した患者さんの話、繰り返す脳出血アミロイドアンギオパチーについて
motsutaro.hatenablog.com
血をサラサラにする薬は高齢者は飲んだほうがいい、ちゃんとした論文がでたのでレビューしてます。
食べ順ダイエット成功のポイントは野菜ではない!〜食前のホエイと最後の糖質が良い?〜
はい、こんなこと書くと多くのブログから「はぁ?」と言われそうですが、そんなことにも負けずに記事は進んでいきます。
はじめに
近年、血糖の急激なアップダウンが太りやすいということは認識されつつあります。
インスリンの分泌を抑えることが、太りにくさに関係していて、血糖の変動が少ない食事への関心が高まっています。低GI食品など、まさにコレでしょう。
そして糖尿病患者さんの治療で大事なのは食後高血糖をコントロールすることであるとも言われておりまして
(←食後の血糖値が高い方が、血管の病気になりやすいという報告:
http://J Clin Endocrinol Metab. 2006 Mar;91(3):813-9. Epub 2005 Dec 13.)
日本で広く知られているものは糖質制限食と食べ順ダイエットです。
そして日本糖尿病学会なんかも推奨していますが、食べ順ダイエットは別名:ベジ・ファースト(野菜から食べる)とも言われています。
で、今回アメリカから欧米人に食べ順ダイエットをやったところ、ベジ・ファースト(野菜を最初に食べる)ではなくカーボ・ラスト(炭水化物を最後に食べる)の方が、食後高血糖に良かったです、という報告がでました。
http://BMJ Open Diabetes Res Care 2017;5:e000440
研究の内容をざっくりと
前述の論文は2型糖尿病の男女を
- ①炭水化物を先に食べる(オレンジジュース+パン → 鶏肉、サラダの順)
- ②炭水化物を最後に食べる(鶏肉、サラダ → オレンジジュース+パンの順)
- ③サンドウィッチで食べる(鶏肉+サラダ+パンでサンドウィッチを作りそれとオレンジジュースを同時に摂る)
上記3グループで血糖、インスリン、GLP-1、グルカゴンといったものを採血でみていきました。(専門的なので詳しいことは割愛しましね、ここでは)
結果は、
②の炭水化物を最後に食べるグループが一番インスリンの分泌を増やさず、食後の血糖も抑制されいてた!!
ということでした。
カーボ・ラスト(糖質を最後に食べる)の有効性が確定!
今回は欧米の報告ですが、実は食べ順ダイエットに関しては、なんと日本で2つほど報告があります。大阪市立大学と関西電力病院のグループです。なので、食べ順ダイエットの有効性については日本人以外の民族でいうと、今回の論文が初めて?かもしれません。
大阪市立大学の報告は野菜→おかず→主食と食べるだけでなく、咀嚼回数が20回以上にしなければならないということや低GI食品を意識することが求められるので、必ずしも食べ順だけの効果とはいいにくいと思います。
また、関西電力病院のグループは「米→魚」「肉→米」「魚→米」の食べ順でしたが。たしかに食後血糖やインスリンの分泌も抑えられているのですが、肉や魚からたべた人たちでは胃の食物の排泄が遅くなっていて、それが原因ではと言われています。
なので、純粋に食べる順番での効果としては今回の報告がよりもっともらしいと考えます。
余談ですが、ホエイをとることで食後のインスリン分泌は増えるのに食後血糖は下がる糖報告もあり(http://Diabetologia 2014; 57:1807-1811)なんだかよくわかりませんね。
ホエイはプロテインの代表的な成分ですし、筋肉を作るのにはインスリンが必要ですから、間食のプロテインは食後血糖を抑えるし、タンパク質はとれるし、筋肉が育つのに必要なインスリンの分泌も高めてくれるなんですばらしいじゃないか!ってなりますけど、どうなんでしょう。
まぁ、いずれにしても民族関係なく食べ順ダイエットの有効性は確定的でしょう。
大事なのは、
カーボ・ラスト(炭水化物は最後に)
です。
もちろん、野菜から食べて咀嚼回数を稼ぐことも大事だとは思いますけど。
色々考えたくない人はまずは炭水化物を最後に摂ることからはじめてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
こんな記事も書いています。
高いのに効かない薬飲んでない?高齢者糖尿病の血糖管理と投薬についてのつぶやき
今回は糖尿病です。
前半は糖尿病の概要になりますので、知ってる方は読み飛ばしてください。
http://JAMA. 2016 Mar 8;315(10):1034-45. doi: 10.1001/jama.2016.0299.
http://JAMA. 2015 Sep 8;314(10):1052-62. doi: 10.1001/jama.2015.9536.
上記は医療関係者なら大体の人が知っているジャーナルでして、ここの要点は、
- 65歳以上の男性はHbA1Cは7.0以下にしない
- 70歳以上の女性はHbA1Cは7.0以下にしない
- 2型糖尿病の第一選択はメトホルミン、第2選択からは不明
- 高齢者でHbA1Cを7.0以下にすると死亡率が増える
ということです。
糖尿病の基本知識おさらい
そもそもHbA1C(ヘモグロビン・エー・ワンシー)とは?
血液中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す値です。過去1−2ヶ月の血糖値の平均を表していますので、普段の血糖が高い人はHbA1Cも高くなり、血糖が低い人はHbA1Cも低くなります。
「今日は検査だから、ご飯は抜いていこう!」としても無駄です、ちゃんとわかります。もちろん、通常の空腹時血糖も合わせて評価しますが。
さて、数値の見方ですが、
です。
HbA1Cは血糖の平均値、基準値より高ければ一発で糖尿病の診断です。
糖尿病には1型と2型がある
一般的に、膵臓からインスリンという血糖値を下げるホルモンがでます。
このインスリンというホルモンが機能しないと血糖値が高くなってしまうのですが、原因によって1型と2型に分かれます。
・1型糖尿病
膵臓のインスリンを出すベータ細胞が壊れてしまい、そもそも自前のインスリンが少ない。子供、若い人に多く最初はかぜのような症状のことも。治療はインスリン注射。
・2型糖尿病
遺伝的に糖尿病になりやすい人がストレス・肥満・運動不足などをきっかけに発症。自覚症状が乏しく、検診や生命保険加入時に発見されることが多い。インスリンの反応が悪くなったり、インスリンの出るタイミングが悪くなったりしている。
糖尿病は何が怖い?
①:3大合併症(網膜症、腎症、神経障害)
まず。上記の如く糖尿病には3大合併症というのがありますが、HbA1Cを6.9%未満に保っていればほとんど予防できます。(腎症は6.5%未満が目標)
<糖尿病性神経障害>
これから起こる人も多いと思います。
足のしびれ、めまい、立ちくらみ、尿が出にくい、男性では勃起障害など。
このうち、脳神経外科的には足のしびれは注意です。糖尿病が原因ではなく足根管症候群という病気のこともあり、これは外科的に治療することができるからです。しかしながら糖尿病専門医や内科の先生の認知も高くないのが課題ですが。気になる方は一度かかりつけ医に相談してみるものいいと思いますよ。
<糖尿病性網膜症>
眼底の血管が障害されて視力が落ちたり、眼底出血を起こして急に目が見えなくなったりします。眼科で定期的な診察と、必要に応じてレーザー凝固術などの治療を行うことで視力の維持ができます。
<糖尿病性腎症>
人工透析の原因第一位です。現在は人工透析があるため、腎不全になっても生きていくことができますが、週3回 1回数時間は透析をしなければならないのです。
②:脳卒中、心疾患(狭心症、心筋梗塞)、閉塞性動脈硬化症(ASO)など
糖尿病により動脈効果が進むと、上記のような血管の病気になるリスクが上昇します。
HbA1Cが高ければそれだけ早く動脈硬化が進行し、上記の病気になりやすくなるといえます。HbA1C 6.2%以下に厳格に管理するほうが心血管系のイベントリスクを減らせるという報告もあったように記憶しています。
本題はここから
さてようやく本題になります。
2型糖尿病の投薬につきまして、最近はDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など多彩な薬剤が出回り、製薬会社は特に高価な薬剤を推奨することが多いようです。実は私もDPP-4阻害薬というのを好んで使用していた時期があります。
薬価に関して
メトグルコ(メトホルミン)は16.7円/500mg錠(一日750mg-1500mgで維持)
ジャヌビア(シタグリプチン DPP-4阻害剤)は136.5円/100mg錠
フォシーガ(ダパグリフロジン、SGLT2阻害薬)は202円/5mg錠
と、一日量を考えるとどうしてもメトホルミンよりも高い…。
高齢者はHbA1C 7.5-9.0%が利益が最大で、害は最小!
先に紹介しました論文の要旨はこうです。
HbA1C 7%未満にする強化血糖コントロール療法に関して、
高齢者はHbA1C 7%未満にしても10年間は脳血管イベント(脳卒中、心筋梗塞)は減少しない。(80歳以上は除外されており不明)
HbA1C 7%未満にしても8年以内はそうじゃない治療をした人と比べて糖尿病性腎症・網膜症に差はない。8-15年は有効性不明、15年以上なら有効性あるかも。
つまり余命が15年以内なら、がっつり血糖下げなくて良いのです。日本人の寿命は男性 80歳、女性87歳ですから、男性なら65歳以上、女性なら大体70歳以上は血糖下げすぎなくていいいということになります。
HbA1Cが9%を超えると、多尿・脱水など悪いことも起きますので、HbA1Cの管理は7.5-9.0がマルですね。
しかもACCORD試験で「高齢者でHbA1cを7%以下にする強化血糖コントロールを行なうと死亡率が増加する」という結果もでました。よかれと思ってやってたことが逆効果に!Wow!!
ということで介護保険開始年齢の男性65歳、女性70歳になったら血糖コントロールはがんばりすぎないに限りますね。
これがどういう意味をもつか考えてみましょう。
(症例提示)
80歳代、女性、2型糖尿病で治療中。HbA1C 6.8%
内服はDPP-4阻害剤、メトホルミン、SU薬、チアゾリジンが入ってました。
- チアゾリジンは心不全、骨粗鬆症など副作用多彩ゆえ中止!
- DPP-4は値段高いわりに効果乏しいので中止!
- メトホルミンとSU薬は継続するけど、SU薬は低血糖発作を起こすことがあるので、そうなったら中止!
とできます。
血糖降下作用は、
ですので、DPP-4阻害剤やSGLT-2阻害剤は薬価高いだけにコストパフォーマンス悪いですね。
こうやって、色々薬を減らして、メトグルコだけになってもHbA1Cが7.5-9.0%の間で余裕があれば、糖尿病の投薬自体なくすことができるかもしれません。
高齢者の多剤内服(ポリファーマシー)は転倒リスクや薬物相互作用の点から避けるべきなので、まさに理想的ですね!
ポリファーマシーに関しては下記をご参照ください。
第一選択はメトホルミン、第2選択は不明!
メトホルミンも気をつけなければならいないことがあります。
- クレアチニン 1.5mg/dL以上では乳酸アシドーシスという副作用
- 造影剤使用前は中止なければならない
※クレアチニン:腎機能をみる指標
です。
専門家の中にはDPP-4阻害剤を第一選択として使う先生もいますが、専門家の意見はRCTという試験レベルで有効性が確認されていれば推奨レベルAですが、そうでなれば推奨レベルは最低ランクのEですからね。
まとめ
ということで、今回の記事の復習です。
- 高齢者(男性≧65歳、女性≧70歳)ではHbA1Cは7.0以下にしない(死亡率増える)、7.5-9.0%が目標
- 2型糖尿病の第一選択は腎障害などの問題がなければメトホルミンを、第2選択はよくわかってない。
- DPP-4阻害剤、SGLT-2阻害剤はコスパが良くない。
- 高齢者では多剤内服による転倒リスクなど悪いことも起こりやすいため、上記のHbA1C目標値の範囲内で減らせる薬は減らしましょう。
ということです。
おまけ:こういう人は糖尿病専門医に相談する
- HbA1C(NGSP)が7.4%以上が半年以上続いている
- 最近半年間で処方の変更がない
- 年齢は65〜70歳未満である。
です。
つまり、糖尿病良くなってないんじゃないの?ってこと。
糖尿病治療は先手必勝!早い方がいろんな悪い出来事を減らしやすいのです。
では
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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