脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

ヒアリにビビるな!〜余計な情報に惑わされないために、伝えたいこと〜

ちまたで話題のヒアリについて今日は書いていきます。

 

 

いろいろと騒がれておりますが…

 

 

えっと・・・・・ですね

 

 

ただの虫刺されですからっ!!!

 

 

だからビビる必要はありません。もうこれで今回のいいたいこと終わりです。

 

ムカデにしてもハチにしても、大事なのがアナフィラキシーショックであって、そうでなければ単なる虫刺されです。

刺されても、ビビらないでください。

 

 

ヒアリ毒によるアナフィラキシーの頻度ですが、あまり文献はないものの10%もないようです。

 

そもそもアナフィラキシーの原因のトップ3として、食べ物が3割、虫刺されが2割、薬が1割の順なんですよね。別に珍しくもなんともない。

 

ヒアリ毒についてですが、

刺されたところの痛みのほか、腫れは1時間以内に膿疱は12時間以内にできるようです。その他、大きな紅斑が数日続いたり、蕁麻疹がでることがあるようです。

 

ハチ毒と交差反応性がありますので、ハチに刺された人がヒアリに刺されるとアナフィラキシーを起こすかもしれません。まあ、ヒアリ自体が何回も刺すようですが。

 

稀に集団で襲うことがあるみたいなので、高齢者や子供はそのへん注意ですかね。

 

と、少しヒアリの恐怖心を煽ることを記載しましたが、もう一度いいますよ。

 

それでもただの虫刺されですっ!!!

 

大事なのはアナフィラキシーが起こるかどうか、そしてその時の対応ですので、そのためにはアナフィラキシーを知ることです。

 

アナフィラキシー症状とは、

①呼吸器症状:くしゃみ、喘鳴(ぜいぜい)、息苦しさ

②皮膚症状:蕁麻疹、かゆみ、発赤

③粘膜症状:唇、まぶた、舌が腫れる

④循環症状:血圧低下(ショック)

⑤消化器症状:下痢、腹痛、嘔吐

 

とくに①呼吸器症状や④循環症状があるときは注意です!

 

虫刺されでいえば、

アナフィラキシーショックが起こるのは、虫に刺されて15分以内がほとんど

・刺された後、1時間経過して何も起こらなければ普通はアナフィラキシーは起きない

のです。

 

ちなみに食物によるアナフィラキシーの場合は消化の関係もありアレルゲン摂取後30分くらいはみておきましょう。

 

刺されたところのケアですが

・冷やす

・鎮痛薬

・膿疱は破らない(無菌だから)

くらいは抑えましょう。(ムカデに刺された人に昔は麻酔とステロイドを混ぜた注射をしていましたが、エビデンスは疑問ですね。塗り薬のステロイドも効果は不明です

 

また、ヒアリを見つけたり、被害にあった場合は最寄りの保健所に連絡しましょうね。

 

 

最後に要点ですが、

ヒアリも虫刺され(くどいですか?笑)

・大事なのはアナフィラキシーの有無

アナフィラキシー症状があるときは医療機関受診を。

 

 

 

まだまだ暑い日はつづき、肌を露出する機会も多いと思います。

そういえば、夏はヒアリも攻撃性が高まるという話も…(最後に恐怖心を煽る?)

でもヒアリの生息地域の人は2人に1人が年に1回くらいは刺されているみたいですよ。(本当かどうかは知りませんが)

 

(余談ですが、ハチに二回目にさされると危ないという情報…2回でも3回でもアナフィラキシーが起こらなければこれもただの虫刺されですからね。)

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

※今回の記事ですが、ヒアリ毒の調べに関しては名古屋掖済会病院様の資料を大変参考にさせていただきました。