脳外科医もつの日常

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すぐにわかるケトン食ダイエット(ケトジェニックダイエット)のまとめ〜筋トレ、栄養学好きの脳外科医がダイエットを語る、その2〜

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今回はケトン食ダイエットについてです。(ケトジェニックダイエットとも言います)

ライザップなどで低糖質ダイエットなんかがブームになりましたが、それよりさらに極端・・・いや、医学的にも効果が証明されているすばらしい食餌療法についてなるべくわかりやすくまとめてみたいと思います。

 

はじめに、自己流の低糖質ダイエットで思うように体重が減らない人は大体摂取カロリーが少なすぎて筋肉が分解されて代謝が落ちていますので、急にやめるとリバウンドしますから、まずはこっちを見てくださいね。

 

motsutaro.hatenablog.com

 

では本文再開です。

 

 

 

 

そもそもケトン食ダイエットとは?

一言で言うと、脂肪をケトン体というエネルギーに変えて消費することでやせるダイエットのことです。

 

医学的なケトン食ダイエットについて(ケトン食療法・修正アトキンス療法)

ケトン食療法

てんかんの、主に小児の難治性てんかんで用いられる方法です。脂質・炭水化物(糖質)・脂質の割合が一定になるように毎食計算して行い、適宜特殊なミルクも使用します。医師・栄養士が監修しますね。どのタイプのてんかんにも適応があり、有効な場合は数年続けてから徐々に緩めて中止します。

 

修正アトキンス療法

上記のケトン食療法は小児が対象でしたが、成人にも施行できるように導入されたものです。アメリカでのアトキンス療法をてんかん患者さん向けに修正されたもので、ケトン食よりも制限はゆるく、食事中の炭水化物(糖質)の制限のみというより簡便な方法です。

 

医学的なケトン食ダイエットの効果(てんかんとがんに対して)

上記のごとく、てんかん患者さんの発作抑制効果と、実はがんの抑制にも効果があるのではという報告がされています。がん細胞はブドウ糖をエネルギー源にしていることや、我々は糖質を摂取したときに分泌されるインスリンというホルモンががんの増殖に関わっているのではないかという理屈ですね。

 

さて、前置きはここまでにして(アツくなると膨大な文字数になってしましますので。)さっそくケトン食ダイエットのポイントをみていきましょう。

 

ケトン食ダイエット実践のための3つのルール

①はじめの2週間は1食あたりの糖質摂取は5g以下、一日20g以下にする

②タンパク質摂取は除脂肪体重の1~1.5倍

③脂質の摂取量は除脂肪体重の2-3倍

  ※タンパク質:脂質=1:2の割合

例 )60kg、体脂肪率25%の人

・除脂肪体重は60×0.8=45kgなのでタンパク質は45~67.5g、脂質は90-135g

 

ケトン食ダイエット中の食事について(食材・飲み物など)

食材

★タンパク質(肉、魚、たま簿、チーズ類)

★脂質(MCTオイル、ココナッツオイル、オリーブオイルなどの植物油、エゴマ油、アマニ油、シソ油、魚油、アボカド、ナッツ類、卵、チーズ、バター、マヨネーズなど)

★葉物野菜、きのこ類、海藻類

 ※ナッツ類は糖質に注意!

 

飲み物

★糖質の含まれないもの 水、お茶など

 

あまり食べたくないもの

★練り物類、甘いチーズ、0カロリー表示の清涼飲料水、糖質の多い野菜(根菜類が多い。具体的にはカボチャ、たまねぎ、コーン、トマト、パプリカなど)

 

避けるべきもの

★糖質入っているもの全般

★加工食品

★糖質の多い調味料・・・めんつゆ、味噌、カレールー、実は醤油もとりすぎ注意

★果物

穀物

★チーズ、バター以外の乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)

 

その他減量のポイントについて

サラダはオイルを使う(ノンオイルでなくてOK)

調味料は塩、胡椒、七味唐辛子など

水は2−4L飲む(心臓や腎臓の悪い人は医師に相談)

 

油の知識

・植物油のリノール酸は血中コレステロール血低下に◯

リノレン酸(シソ油、エゴマ油、アマニ油)は体内でエネルギーになりやすい

・魚油に含まれるEPAの抗血栓作用、EPADHA中性脂肪低下作用

MCTオイルやココナッツオイルが含む中鎖脂肪酸はエネルギー源となるケトン体を沢山作る!

 

最後に

どうでしょう?

結構きついかもしれませんが(とくにはじめの2週間)

そして体臭もきつくなったり、お通じの不具合もでるかもしれませんが、確実に上記のようにやれば効果はでます。糖質のアップダウンもないので、感情的に落ち着いたり、空腹感を感じずに日中活動できるかもしれませんよ。

ちなみに私は大事な仕事や専門医試験前などは、1−2時間毎にゆで卵を食べながら作業してました。これがまたパフォーマンスが低下せず、個人的にオススメです。

前述の油の中ではココナッツオイルがいろんな意味でオススメですが、普通に沢山摂取するのはキツイので、よく飲み物に入れたりしますよ。でも油だから混ざらないという…。ブレンダーがあれば、いい感じにコーヒーはカフェオレっぽくなりますよ。

 

 

しかし、ダイエットの王道はマクロ栄養素(タンパク質、糖質、脂質)のバランスの管理、筋トレ、そして十分な睡眠だと思いますけどね。

興味のある方はぜひお試しください。

 

安易な低糖質ダイエットは体調を崩しますので気をつけましょうね。では。

 

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

何かしら参考になれば幸いです。

 

 

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