筋トレ医師の増量期の食事、バルクアップにはざるそばがオススメ
こんにちは。今回は以前のブログでも記載しましたが、食事管理と筋トレをちゃんとやりはじめたので経過の報告と、具体的な食事のポイントなどについてお話してみたいと思います。
食事管理の成果がでてきました。
3週間前>
体重 73.5kg
体脂肪率 17.1%
骨格筋量 忘れました 56kgあったかな?
↓
本日>
体重 73.35kg
体脂肪率 12.9%
(骨格筋量 60.4kg)
週2−3の筋トレと食事管理の成果です。
本日のトレーニング
肩>
フロントプレス 20回/16回/8回 、メインセットの2割減の重さで20回
サイドレイズ 20回 4SET
リアレイズ 20回 4SET
腹部>
アブローラー 10回 3SET
腕>
バーベルカール 20kg 20回 3SET
思いのほか、フロントプレスで上腕三頭筋が消耗してしまったので、パンプ目的にバーベルカールは追加しました。本来は肩の日です。
トレーニング時間は40分くらい。
飲み会も何回かありましたが、カロリーとPFCバランスを考えつついい感じに筋肉増やせてます。
低糖質にして停滞してたので、思い切って高炭水化物・高タンパク室・低脂肪にして正解でした。
バルクアップ目標の食事について
わたしは基礎代謝が1740-1800kcal程度、トレーニングをしない日は低活動なので、2100kcalくらいでプラマイゼロかなと。
で、現在はバルクアップ目的に
トレーニングしない日は
- 2200kcal目標
- 炭水化物 275g
- 蛋白質 165g
- 脂質 48g
トレーニング日は
- 2400kcal目標
- 炭水化物 300g
- 蛋白質 180g
- 脂質 53g
でやっています。
トレーニング日>
- トレーニング前のバナナ1本もしくはおにぎり1個
- トレーニング後もバナナ入りのプロテインとおにぎり1個を摂取する
- トレーニング前、トレーニング後以外は低GI食品
- 各食事は蛋白質20g程度の食事+適宜糖質追加
- 寝る前にプロテイン
- 間食にプロテインもしくはプロテインバー
トレーニングしない日>
こんな感じです。就眠前のプロテインは40gくらいとらないといけない・・・という記事もみたことありますが、寝る前はマッスルファームのプロテイン(下記)を主に摂っています。リンク貼っておきますね。
我が家はコストコ好きなので、上記2つはコストコで購入できるプロテイン商品です。
カークランドの上記のプロテインバーは糖質が少なくて20gも蛋白質を摂取出来るで旅行や出張先に持って行くにも便利ですよ。
高炭水化物、低脂質、高タンパク質、低GIを食事に求めるならざるそばがオススメ
日々の食事ですが、もちろんサラダチキンは食べますけど、個人的にはざるそばはお気に入りです。
上記はファミリーマートのざるそばですが約300kcal、炭水化物56.8g、脂質1.6g、蛋白質14gと高炭水化物かつなかなかの蛋白質量!
これにサラダチキンでPFCバランス的には十分です。
しかも低GI食品です。
その他セブンイレブンなど各コンビ二で売られているざるそばはどれも同じような成分になっていますよ。
最近セブンイレブンで玄米おにぎりなんかもでていますし、ローソン系でもち麦おにぎりなんかもあります。低脂肪で糖質を稼ぐにはこういう商品も有効だと思います。
普段から低糖質にしていた私ですが、糖質を摂るようになって体重がはじめは1−2kg増加しました。炭水化物摂取により体に水分が引き込まれたからだと思います。しかしそれから体重は横ばいで、体脂肪率は減少、筋肉量は増えています。何よりトレーニング中に上げれるウェイトの量が増えて行くのがモチベーションの維持に良いです。
低糖質はたしかに今はやっており科学的にも有効性は証明されつつありますが、筋トレをやっているならば高炭水化物+低脂質+高タンパク質の食事もオススメですよ。
私が実践している食事のポイントは
- 炭水化物:脂質:蛋白質のカロリー比は5:2:3
- トレーニング前後は吸収の早い高GI食(米、うどんなど色の白い主食)
- トレーニング前後以外は炭水化物は低GI、日頃の食事ではそばがオススメ
- 摂取カロリーは目安の消費カロリー+200kcal程度を目標に
です。実は炭水化物が50%というところで、論文的な低糖質食の条件には入っているのですが、蛋白質の量が多いのでこのような割合になっていると解釈して下さい。グラムでいえば結構多いはずです。
なかなかそばや玄米のような低GI食ができないという人はサラダから食べる等食べ順を工夫することでOKです。
小さな成功体験を積み重ねならがダイエットや体型改善を楽しみながらできるといいですね。
こんな記事も書いています。
ダイエットにはカロリーや栄養バランスを客観化することが大事です。オススメアプリを含め解説しています。
私の筋トレメニューと、トレーニング中の糖質の有効性を身をもって感じた話です。
筋トレ中の水分・糖質補給はやっぱり大事。アミノバリューでも効果ありました。
順調に成長していくお腹まわり…これはまずいなと。患者さんにはダイエットだの減量だの勧めるくせに、このままではダメだ…
そして筋トレを最近真剣にやりはじめました。
ちなみに、こんな感じのメニューを上半身の日はやっています。
<背中>
トップサイドデッドリフト:ウォーミングアップ+メイン 3SET、60kg x 20+そのままバーベルロウ 10レップ 2SET
コンパウンドロウ: REP(10.10.8) 計3SET
ラットプルダウン:REP(10.10.6) 計3SET
<胸>
インクラインベンチプレス:ウォーミングアップ+メイン 3SET(REPは10.10.8)
ダンベルフライ:20REP 3SET
腕立て伏せ:2SET (疲弊して1SET目で10回もできない)
筋トレ中級者以上の方からすると、「こんなもんか」と思うかもしれませんが、そこはご容赦を。今月学会があって4日間トレーニングができないのと、扱う重量が重くなってきたので分割法に切り替えました。①胸・背中②脚・腹③肩・腕 の3分割でやっていくつもりです。
しかし、こうやってトレーニングの内容が多くなると水分補給は問題です。
かくいう私も筋トレはするくせに、筋トレ中の水分補給はミネラルウォーター、ジムの冷水機でした。。。とくに冷水機。
飲み物を買うお金がもったいないというのではなくて(それも多少あるかもしれませんが)、荷物が重くなるのがいやなんです。
私は通勤にそれなりに時間がかかりますので、満員電車の中ではなるべく軽装備でいきたいのです。
で、今回はアミノバリューを試してみました。
成分は1000mlあたり
180kcal、タンパク質 10g、脂質 0g、炭水化物 36g、食塩相当量 1.24g、カリウム 200mg、BCAA8000mg(バリン 2000g、ロイシン 4000mg、イソロイシン 2000mg)、クエン酸 4500mg
だそうです。
BCAAの筋肉分解抑制作用などは有名ですが、有意差がでるのは結構な量が必要ですよね。10gくらいは…摂らないと?
アミノバリューを飲んで筋トレして、たしかにスタミナがもつ、パンプ感がよくなった気がしますが、多分水に比べて、ちゃんと電解質や糖質を摂ったからかなあと思います。
本当はグリコのCCDくらいは準備しておきたいものですが。。。
意識高い人たちはやってるんでしょうね。
私はおこづかい制なので出来る範囲で頑張ります。
まとめ
筋トレ中、水分補給は水だった筆者もアミノバリューにしてみたらパフォーマンスは向上した。アミノバリューに限らず、CCDなど筋トレ中にオススメと言われるドリンクを利用することは○。
ちなみに高強度のトレーニングでBCAAの効果はエビデンス乏しいらしいです。
医学部生のOSCE(オスキー)対策授業をやって
(2018年2月4日更新)
こんにちは。
昨日は学生さんにOSCE対策の授業をしていました。
今年度のオスキーは2018年1月13日、もう2ヶ月をきっていますね。
OSCEって何?
で、OSCEって何?ってなるわけですが、正式にはObjective Stractured Clinical Examinationといいます。その頭文字をとってOSCE(オスキー)ですね。そのまま訳すと客観的臨床能力試験ということになります。
医学部は通常1〜4年で一般教養・基礎医学・臨床医学を座学でまなび、5年生から病院実習が始まるのですが、その病院実習前に行われます。
獣医学部、薬学部、歯学部でもあるそうですね。
医学部のOSCEの評価項目は医療面接、胸部診察、呼吸音聴診、神経診察、救急、頭頚部診察、バイタルサイン等です。
私は毎年神経診察を担当しています。
本来は医師免許がない学生はできないのですが、本試験は医学部の実習において患者さんに医療行為を許可する理由みたいなものです。
CBTというパソコン画面で行う試験とセットになっており、OSCEとCBTの両方を合格した場合は「学生医」として、実習するのです。
OSCEの実際
試験対策の授業を行うにあたり、診察の注意点など説明するわけですが、OSCEの試験の性質上、その制度は問題にならず、「やっているフリ」で大体OKとなります。
テキストがあり、そのチェックポイントを満足しているかで採点します。
例えば、患者の痛みなどに配慮ができるかということで、聴診器を患者の肌に当てる際「聴診器が冷たいかもしれません」と言うか、腹部の触診の際は患者の足を曲げてから行うなど。
実臨床とはギャップがありますね。
試験当日、学生さんは一日のなかで各セクションをほぼ休みなく周り、制限時間内で与えられた課題を行います。そして試験管はそれを評価するのです。
実際の試験当日の患者役は受験する学生さんの後輩がボランティアでしてくれることが多いです。一日中患者さん役でベッドの上に寝ているとか、よくがんばるなぁと感心してしまいます。患者役の学生さんも自分が将来行う試験の雰囲気がわかるというのがメリットでしょうか。しかしながら模擬患者役のボランティアの体力面を考えると今後もスピーディーに試験をしなければなりませんし、試験日を増やすことはなかなか難しい気がします。
本番での学生さんの様子
タイマーが学生さんも見える状態で行います。
患者さんを触るときに手指消毒でアルコールも準備されていますが、緊張からかアルコールを手に出しすぎてしまい、いつまでたってもアルコールが乾かないし、その間時間は無くなっていく…そして受験学生さんもどんどん汗をかいて焦り始めるという。
その他、いろいろとNGもありますが、この場では控えておきます。
OSCEの対策は?
やはり、愚直にテキストを復習することだと思います。
学生に配布されるOSCEのテキストには評価項目も記載されているので、それにのっとって他の学生さんと患者役・医師役で練習するのがいいと思います。
裏技もヤマカケもありません。答えはテキストにありますので、それをやればいいのです。多くの大学はOSCEで学生さんを落とすこともしないでしょうし、試験管の立場がからすると学生さんを落とす理由を作るほうが面倒ですから。
ただ今後advanced OSCEという臨床実習後のOSCEが採用されるので、そうなるともう少し厳格な審査になりそうです。
最後に
我々の時代は、学生の間のならったこと、国家試験の勉強が現場では役に立たないと言われました。
確かにそれも否定はできません。
学内の卒業試験が毎週あり、その中で国家試験の勉強や就職活動をする6年生は大変だと思いますし、試験をパスすることに特化した勉強になってしますことがしかたないと思います。
国家試験レベルの知識の学生さんが、研修医になり、彼らをどう育てていくかが我々の使命だと思っています。書類審査や面接程度でダイヤモンドは誰もわかりません。医学部を出たみんなが原石であり、それがダイヤモンドになるかどうかは我々にかかっているんだと…そういう気持ちで今後も教育面でも頑張っていきたいものです。
昨今、社会人の賃金が上昇傾向にあるなか、国の制作で医療サービスの報酬は引き下げられ、それに付随して医療職の給料も下がることが懸念されています。
現代風に言えばコスパが決していいとは言えない職業ですが、賃金では測れない充実感やAIの導入などによりライフスタイルに合わせた働き方も今後は少しずつ出来るようになると思いますので、希望を持って現場に来ていただきたいと思っています。
医療制度も、学生を取り巻く医学部の環境も過渡期でありますが、なるべくいい方向に進んでいってほしいものですね。
こんな記事も書いています。
女性の頭痛のみかた〜月経時片頭痛、妊娠・授乳中の対応まで〜
今回は女性の片頭痛についてです。(2017.11.15更新)
はじめに
日本に於いて片頭痛の有病率は8.4%、女性12.9%、男性3.6%で女性は男性の3.6倍。緊張性頭痛は女性26.4%、男性18.1%で男性の1.5倍、日常生活の支障も女性は4割くらいが感じているのに対し男性は2割程度とこれまた女性の方が強い。
このような性差は月経、妊娠、出産、授乳、閉経など女性ホルモンの変化が大きく関わっています。
女性は月経との関連からの頭痛頻度も高く、急性期治療を頻回に行うため薬物乱用頭痛に陥りやすいのです。
月経時の片頭痛を生理痛と考え適切な治療を受けていない人も多く見られます。
更年期は女性ホルモンであるエストロゲンの低下、この時期ならではの家庭・社会生活の変化で頭痛が増悪しやすい傾向があります。
一般的に閉経後は片頭痛の約7割が改善すると言われています。
女性の頭痛:月経時片頭痛
女性に関係したものとして今回は月経時片頭痛に焦点をしぼって解説していきます。
もちろん実臨床では薬物乱用頭痛や、緊張性頭痛も混ざっていることがしばしばありますので、複数の要因が混ざり複雑化した頭痛の方では神経系の専門医や頭痛に慣れた先生でなければ治療は困難でしょう。
月経時の片頭痛の分類
頭痛の分類においては、前兆のない片頭痛は、
と3つに分かれます。1は月経時のみの片頭痛、2は月経時以外にも見られるもの、3は月経時と関係のないものです。
ここでの月経期間の定義ですが、月経開始日±2日くらいです。月経開始前の頭痛も月経時頭痛に含まれることに注意。
純粋月経時頭痛は1割未満ですが月経関連頭痛は6割程度になります。
月経3周期のなかで2回異常あれば月経時頭痛の診断となります。
月経時片頭痛の予防法
- 主としてトリプタンを使用する
- ナラトリプタン(アマージ)や、ロキソプロフェン(ロキソニン)などのNSAIDsを月経の2−3日前から定期内服、3−5日間内服する。
- トリプタンやNSAIDSの使用が10回を超える場合は通常の一般予防療法を行う。
尚、アマージは1回使用すると24時間は使えません。
<処方例>
・アマージ 頭痛時(痛くなりはじめ:前駆期に内服)
・セレコックス 100mg 2錠分2 朝・夕 月経開始2日前から内服・・・5日間
※NSAIDS(エヌセイズ):非ステロイド性抗炎症薬。ロキソニン、ボルタレン、アスピリン、ブルフェンなどのこと。
月経時片頭痛の特徴
- 前兆がない
- 高頻度である
- 重症(とても痛い)
- 悪心・嘔吐が強い
- 持続時間が長い
- 治療が効きにくい
妊娠の可能性があっても片頭痛の治療はできる
- 一般的に受精後18日間は胎児は母体血の影響を受けませんので、月経予定日までの服用は心配いりません。月経が遅れる、妊娠の可能性があればすぐに中止しましょう。
- 月経が不規則な方は基礎体温をつけるなどして慎重に。
- 妊娠反応検査は受精後10日で陽性になりますので、可能性があれば早めに検査を行いましょう。
- 一般予防薬のバルプロ酸(デパケン、セレニカ)は一日800mgを超えると催奇形が出やすくなるますので多くとも600mg以下にし、徐放剤を使用します。
- 低用量ピルに関して、影響がない〜片頭痛を改善すると言われています。ただし、前兆がある片頭痛ではピルは禁忌です。
妊娠中は片頭痛は改善する
減少率は妊娠初期57%、妊娠中期83%、妊娠後期87%と出産が近くなるにつれて減少していきます。
しかし、出産後48時間以内4%、1週間以内34%、1ヶ月以内53%と出産後は片頭痛は再発していきます。
服薬は妊娠2〜4ヶ月は胎児の器官形成期であるため控え、妊娠5ヶ月以降はアセトアミノフェン(カロナール)を第一選択とします。
妊娠後期はNSAIDは避けましょう(動脈管が狭くなり、胎児の肺高血圧などの危険性が生じます)
エルゴダミンは子宮収縮作用はあるため禁忌です。
カルシウム拮抗薬(ミグシス、テラナス)も禁止になっています。
トリプタンでは、イミグランのみデータがあるため妊娠中に使用しても問題ないとされています。原則禁忌ですが、もし使用したとしても中絶の必要はありません。
妊娠中の予防薬は保険適用はβ遮断薬のインデラルがあります(やむを得ず使う場合)
授乳中の服薬:アセトアミノフェン(カロナール)
トリプタンを使用する場合は、授乳を24時間あけましょう(イミグランは12時間という意見もある)
片頭痛が重度で予防療法やトリプタンを頻回に使用せざるを得ない場合は、母乳育児をはやめに切り上げることも考慮しなくてはなりません。妊娠と薬情報センター(https://www.ncchd.go.jp/kusuri/)も参考にしながら家族・薬局と相談しましょう。
まとめ
重要点を振り返ります。
- 月経時頭痛は月経開始2日前から含まれる
- 月経時片頭痛は①ナラトリプタン頓用②NSAIDを月経2〜3日前から服用
- 妊娠中は徐々に片頭痛は減るが、出産後は再発する
- 妊娠2-4ヶ月は服薬は控える、5ヶ月からはアセトアミノフェン。
- 授乳中の重度の片頭痛は、母乳育児を切り上げることも考慮する
片頭痛は30歳台でピークになり、閉経後は改善します。(その代わり緊張性頭痛が増えてくるのですが。)しかし若い時期の治療がしっかりなされないと慢性片頭痛として長く付き合っていかなくてはならなくなります。はじめにも言いましたが、外来に来る患者さんは片頭痛だけというとよりは緊張性頭痛や薬物乱用頭痛が混在していたり、ときにうつ病の周辺症状としての頭痛を訴える方までいらっしゃいます。
近所の開業医でNSAIDだけ出されている、市販薬を沢山使用していても一向に治らない頭痛をお持ちの方など、困っていたらまずは頭痛専門医や神経系医師(神経内科、脳神経外科)へ相談しましょう。
尚、起床時に一番痛いし吐き気もあるけど、夕方にかけて改善してくる頭痛…は脳腫瘍など頭蓋内圧亢進症状を反映した二次性頭痛の可能性もあります。その場合は早急に受診してください。
以上です。
こんな記事も書いています。
片頭痛治療薬トリプタンが効かないときの確認するポイントについて記載しています。
医師の診察室は腹筋トレーニングに最高である
お腹の筋トレ、みなさん興味ありますよね。
今回は私がやっている…かもしれない診察室で出来る腹筋のトレーニングについて記載していきます。
はじめに言っておきますが、ちょっとマニアックな内容です。
1:車輪つきの椅子がアブローラーの代わりになる
車輪つきの椅子を両腕でもって下図のようのトレーニングできます。
しかもアブローラーを使ったものより負荷は軽いので取り組みやすい。(膝をつかない方法よりは)
くれぐれも診察室のドアを閉めて、反対側のスタッフの行き来するところはカーテンをしましょう。
参考までに動画も載せておきます。(動画は膝つきの方法です)
これは別に診察室でなくても会社のオフィスでもできますね。
2:診察台でドラゴンフラッグができる
ベンチと違って診察台の横は幅が有り過ぎで持ちにくいので、頭側の台の端をもつようにするとやりやすいです。
繰り返しますが、誰かに見られないように診察室のドアやカーテンはしっかり閉めましょう。
これも動画を載せておきます。
この2つのいずれか1つでも結構お腹を鍛えられますよ。
こまめにタンパク質をとれない医師のような職業の方にオススメのプロテイン
でも、睡眠不足・食事抜き・緊急呼びたしで忙しい自分に酔える先生でも栄養不足ではメンタルはよくても筋肉にはよくありません。そこで、
お昼ごはんが食べられないくらい忙しいときのタンパク質補給はどうするか??ということですが、個人的にオススメはこれです。
なんと、コストコで売ってます。
3時間毎にプロテインを飲みたい気持ちを抑えて外来や手術をするわけですが、そんなわれわれにもこれはGOODです。
付属のスプーン1杯35g中、タンパク質25g、炭水化物5g、脂質1.5gと組成はまずまず。
で、オススメポイントは吸収に8時間かかること。つまり出勤前などに摂取すれば外来が長引いてもなんとなく血中アミノ酸レベルは保たれていると思える…でしょ?。
ホエイだけでなくて吸収スピードの違う数種類の蛋白質を混ぜているらしいのです。
なのでホエイプロテインの量が気になる方もいると思いますが、それなら他のプロテインと混ぜてしまえばいいのです。
たとえば、これとか⬇
これはビーレジェンドという非常に有名なプロテインメーカーのものです。
基本的にいろんなフレーバーのものが売っているのでそちらの方が絶対美味しいのですが、単にタンパク質を確保したいならこれが安くてオススメです。ちなみにこれだけを水で解くと全然美味しくないので、私は他のプロテインや、牛乳や青汁の粉末、はちみつなどいろいろ混ぜて飲んでいます。先にご紹介しました、マッスルファームのプロテインと混ぜて飲んでも味は悪くないですよ。
この2商品ともよく溶けることもオススメしたい理由の1つです。
ということで、非常に偏った内容ですが、まとめますと
以上です。
頭部外傷(軽症〜中等症)と脳震盪、スポーツ頭部外傷とその後の競技復帰について
今回は重症でない頭部外傷についてです。
内容盛りだくさんですが最後までおつきあいいただけますと幸いです。
- Glascow coma scale:GCSとは
- 頭部外傷の定義
- 頭部外傷の危険因子について
- 診断後の方針について
- 脳震盪とは
- スポーツ(競技)関連の頭部外傷について
- 軽症〜中等症頭部外傷患者の退院指導
- 軽微な頭部外傷について:頭蓋内合併症心配なし
- 受傷に相関しない頭部外傷の危険因子:CTとることが多い
- 最後に
まず、いろいろと述べるにあたり、脳神経外科の中では非常に重要な患者さんの意識状態を表す尺度、グラスコー・コーマ・スケール(Glascow coma scale:GCS)について簡単に記載いたします。
Glascow coma scale:GCSとは
開眼機能(Eye opening):「E」
- 4点:自発的に、またはふつうの呼びかけで開眼
- 3点:強く呼びかけると開眼
- 2点:痛み刺激で開眼
- 1点:痛み刺激でも開眼しない
言語機能(Verval response):「V」
なお、挿管などで発声が出来ない場合は「T」と表記する。 扱いは1点と同等である。
運動機能(Motor response):「M」
- 6点:命令に従って四肢を動かす
- 5点:痛み刺激に対して手で払いのける
- 4点:指への痛み刺激に対して四肢を引っ込める
- 3点:痛み刺激に対して緩徐な屈曲運動(除皮質姿勢)
- 2点:痛み刺激に対して緩徐な伸展運動(除脳姿勢)
- 1点:運動みられず
GCSは正常は満点の15点です。(満点の時はE4V5M6と記載)1点でも低下すれば異常です。細かいことは一般の方にはあまり関係ありませんが、国際的にこのような尺度があり、日頃我々もGCSを用いながら診療しています。
頭部外傷の定義
下記のごとく頭部外傷の程度には定義がありますので、御覧ください。
軽症>
GCS 13-15点、30分以内の意識消失、24時間以内の外傷性健忘のすべてを満たす。(ただし薬物やストレス障害の影響を除外すること)
中等症>
GCS 9-12点 ,30分~24時間以内の意識消失、1~7日以内の外傷性健忘。
外傷性健忘:
頭部外傷により言語で表現できる記憶が障害された状態。頭をぶつけたことによる記憶喪失、物忘れ…といった具合。
頭部外傷の危険因子について
上記の軽症頭部外傷でも頭蓋骨の骨折や脳挫傷などの外傷性脳出血を起こしている場合があります。下に載せました表が危険因子と言われているものです。
診断後の方針について
基本的には入院して経過観察することが多いと思います。
入院適応について
意識レベルの低下、神経学的異常所見、頭部CT異常所見(すぐに脳外科を呼ぶ必要性のないもの)が認められた場合は経過観察入院とします。
その他入院適応
- 激しい頭痛、持続する悪心または嘔吐
- 5分以上の健忘
- 被刺激性の亢進、異常行動
- 外傷後痙攣
- 頭蓋骨骨折の存在
- 神経症状の遷延
- 評価が困難(薬物中毒など)
- 自宅で患者を観察できる成人がいない
入院後の指示
医療者向けには下記のように管理を行います。
- 少なくとも24時間の入院観察。安静臥床の必要はない
- 最初の数時間はくりかえし神経症状をチェックし、神経学的に悪化するようなら再度CTを撮影する
- 意識が清明になるまでは絶飲食
- GCS≦13の場合はICUで観察
- 必要により血中アルコール濃度測定や薬物中毒に対する簡易尿検査(トライエージ)を
やはり睡眠薬やアルコールなどの薬物中毒が疑われる方については、GCSなど意識状態の確認が正確にできないためCT検査や入院の閾値は下がりますし、適宜尿検査で確認します。
帰宅させても良い基準
- GCS 15で、意識消失、外傷性健忘、危険因子のいずれもない場合
- CT所見に以上なく凝固障害や多発外傷などがない場合
- 帰宅の許可は受傷後少なくとも6時間以後が勧められる
上記を満たす場合に帰宅できます。受傷者を見れる人がいるかどうかによっては入院や自宅での観察も許可できる場合があります。
仕事または学校復帰の基準
- 症状が残っている場合は一定期間休息
- 最高の状態で日常活動に戻れるようにすることが勧められる
- 疲労感を訴える場合、段階的に復帰できるように配慮する。
とくにスポーツ絡みの頭部外傷につきましてはSCAT3など段階的な復帰の基準があります。
ここで脳震盪について触れておきます。
脳震盪とは
外傷を起因とした精神状態の変容を指し、意識消失の有無は問わない。昏迷、健忘は典型的な症状である。
→ つまり、頭の怪我して、出血や骨折などなくても、なんか調子悪ければ脳震盪ということ。
脳震盪の程度について
grade Ⅰ:
意識消失を伴わない一過性の意識混濁が15分以内に改善する
grade Ⅱ:
上記が15分以上遷延する
grade Ⅲ:
30分未満の意識消失を呈する
☆意識消失が30分以上持続、あるいは外傷性健忘が24時間を越える場合は軽症頭部外傷とは診断できません。その場合は中等症となります。
スポーツ(競技)関連の頭部外傷について
競技中の脳震盪評価について
こんなものもありますので必要に応じて参考にしてみてください。
脳震盪診断時の競技復帰について
- 脳震盪が疑われる場合はその場ですぐ競技中止
- 脳震盪かどうかの判断は上記の手引かSCAT3を用いてよい
- 脳震盪が疑われる場合あ、脳震盪に詳しい医療スタッフか医師の診察を受ける
脳震盪と診断したら同日の競技復帰はできません。十分な休息をとり症状が完全に亡くなるまで競技復帰は望ましくありません。若年者や小児は回復に時間がかかることがあります。症状が消失したら段階的復帰プログラムで徐々に負荷を増やしていきます。
<段階的復帰プログラム>
- 活動なし
- 軽い有酸素運動
- スポーツに関連した運動
- 接触プレーのない運動・訓練
- 接触プレーのある運動・訓練
- 競技復帰
各段階を24時間毎に進み、5段階に進む前にメディカルチェックを受けましょう。各プログラムにおいて症状が出現した場合は休息の後に最初に戻ります。
器質的脳損傷を有する場合の競技復帰について
すでに器質的脳損傷が確認された場合(脳挫傷、急性硬膜下血腫など)はたとえ症状が消失し画像上の病変が消失した場合でも頭の頻繁な打撃や回転を伴うコンタクトスポーツ(柔道やボクシングなどの格闘技、アメフト、サッカー、スノーボートなど)は原則控えるべきです。
今後、多少の器質的損傷なら問題ないという論文もでてくるかもしれませんが。もちろん競技復帰については担当医と相談しましょう。
軽症〜中等症頭部外傷患者の退院指導
私の場合の退院指導内容をご紹介いたします。
⬇⬇
以下の説明を行った後、適切な観察ができる家族などがいる場合は退院とします。
★頭部外傷の診察により、現時点では合併症の存在が明らかではないこと
★数日の監視が必要であり、とくに最初の24時間は注意が必要である
★以下に示す症状を呈した場合には病院での再評価が必要になる
- 傾眠または覚醒困難な状態の遷延:最初の6時間は2時間毎、その後の24時間 は6時間毎に確認する
- 昏迷
- 頭痛、悪心、嘔吐
- 痙攣
- 四肢の筋力低下、言語障害
- 鼻または耳からの出血、髄液漏
★軽度の頭痛、悪心、めまい、記憶や集中困難といった症状は頭部外傷後によくみられるものであり、再診の必要はない
★少なくとも3日間は飲酒を控える
★約2週間は新たな頭部外傷の危険のある運動は避ける
★鎮痛薬は使用しない(アセトアミノフェンのみ鎮痛薬として使用可能)
多少スポーツによる脳震盪の復帰プログラムとの相違もあります。全員が接触プレーを含む練習をする前にメディカルチェックを受けられるとはかぎりませんので。
その辺はケースバイケースとなります。
実は頭をぶつけたときにCTを撮影しなくていいくらいの頭部外傷のカテゴリーもあります。(=軽微な頭部外傷)
軽微な頭部外傷について:頭蓋内合併症心配なし
この患者群は頭蓋内合併症の危険が全く存在しない。
以下の項目をすべて満たす患者です。
- 意識消失および健忘なし
- GCS 15
- 神経症状なし(局所の頭痛は含めない)
- 神経学的異常所見なし
- 陥没骨折、頭蓋底骨折、穿通性外傷の臨床症状なし
こういう人は頭部CTは撮影しなくていいです。
しかし「例外のないルールはない」ということわざもありますので、
受傷に相関しない頭部外傷の危険因子:CTとることが多い
上記のケースでは頭部CTを撮影する閾値が低くなりますので、たとえ大丈夫そうに思えても念のため検査をしたほうが良いかもしれません。
※上記抗血栓薬とはいわゆる血をサラサラにする薬のこと
※凝固障害を伴う疾患とは、白血病、紫斑病、血友病など。また重度の肝障害も含みます。
最後に
頭部外傷には、通常CT検査の必要のない軽微な頭部外傷と呼ばれるものから、軽症でも入院を要するものまであります。特にスポーツ関連のものについては学校教員の方も含めて認識しておいて損はないと思います。
頭部外傷はしないに限りますが、スポーツの秋、そしてこれからゲレンデに出かける方など気をつけてお楽しみください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
透析患者ではLDLコレステロールが「悪玉」とは言い切れない理由
LDLコレステロールというと、みなさん「悪玉コレステロール」というイメージがあるかもしれません。検診でもLDLコレステロールが高いと、薬を飲みましょうと言われたりますよね。
ところが、今回はそんな嫌われ者のLDLコレステロールが高いほうが良いケースもあるよ、という話です。前半はわかりにくいかもしれないので、後半の「まとめ」から読んでもいいかもしれません。
大事なことは色文字・太字にしてありますので、そこらへんだけつまんでもいいと思いますよ。
2017 Kidney weeks取材班からの記事がありましたので、紹介します。
Kedney weeksの報告内容
序論
血液透析患者では血清総コレステロール値が死亡リスクと逆相関することがよく知られています。
一般的に、LDL-コレステロール(LDL-C)の高値は脳卒中や心筋梗塞といった病気のリスクとなるため、死亡リスクの上昇につながりますが、血液透析患者にはそれが当てはまりません。
血液透析患者の死亡原因の第1位は心血管疾患ですが、次に多いのが感染症であり、LDL-Cは細菌性毒素の吸収および不活化に働いて、先天免疫に関与している可能性が考えられています。
米・University of California Davis School of MedicineのGeorge A. Kaysen氏らは、こうした観点から血液透析患者のアウトカムに関する国際的なデータベースを解析し、実際にLDL-C高値が感染症による死亡リスクの低下と関連していることを、米国腎臓学会・腎臓週間(ASN Kidney Week 2017、10月31日~11月5日、ニューオーリンズ)で報告しました。
研究の方法
2000年1月1日〜12年12月31日に血液透析を開始し、少なくとも1回は血清脂質などの測定が行われている患者1万4,650例(男性60.2%)を対象とした。最終の測定から4年後までの全死亡、感染症による死亡、心血管疾患(動脈硬化性疾患)による死亡を追跡して、血清脂質との関連を時間依存性共変量のCox回帰モデルで解析した。
結果
その結果、炎症マーカーであるC反応性蛋白(CRP)や好中球/リンパ球比(NLR)を含む多変量モデルにおいて、LDL-C高値、HDLコレステロール(HDL-C)高値、トリグリセライド(TG)高値は、いずれも全死亡リスクの低下と関連していた。また、LDL-C高値は感染症による死亡リスクの低下とも関連していた(。HDL-C高値も透析歴をモデルに含めると感染症による死亡リスクの低下と関連していた。
血液透析患者の動脈効果はLDLコレステロールよりも炎症が関与している
今回の解析で、HDL-C高値は動脈硬化性疾患による死亡リスクの低下と関連していたが〔ハザード比(HR)0.44、95%CI 0.33~0.60、P<0.0001〕、LDL-C高値(同 0.92、0.83~1.01)やTG高値(同 0.99、0.82~1.21)が動脈硬化性疾患による死亡リスクを上昇させることはなかった。
血液透析患者においてLDL-C値が高いほど生命予後が良いのは、栄養状態の反映と考えられてきたが、LDL-Cが高値であるほど全死亡の他、感染症による死亡が減少しており、Kaysen氏らは「そのことが血液透析患者ではLDL-Cの低下が必ずしも予後の改善につながらないことの理由ではないか」と指摘している。血液透析患者における動脈硬化性疾患ではLDL-Cよりも炎症の関与がより大きく、炎症そのものや細菌性毒素などが炎症を起こすプロセスの抑制がより重要な可能性があるという。
という、ここまでほとんど抜粋に近いんですけど。。。
大事なのは、
血液透析患者においては、確かに心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患のリスクが高いけれども、一般にそれらのリスクと言われるLDLコレステロールが高い方が逆に生命予後がいい(中性脂肪、HDLコレステロールも高くていい)ということ、感染症だけでなく動脈硬化の原因としても炎症の抑制が重要であるということですね。
個人的な意見
で、これが、臨床にどう活きるか個人的な意見を述べますと、
スタチンなど脂質系の薬を減らせる可能性がある
「透析患者 → 脳卒中や心筋梗塞のリスク → LDLコレステロール下げなきゃ!」
と考えていたら、むしろ色々と薬が増えそうですが、逆に薬を減らす動機になりますよね。だって、LDLコレステロール、中性脂肪も高くていいんだから。しかも透析患者死亡原因第2位の感染症もLDLコレステロールが高いほうが少ないときたら…ねぇ。
そもそも、透析患者さんは飲んでいる薬の量が多いので、薬を少しでも減らすことができたら、それはうれしいことですよね!
アスピリンを飲んでいると効果あるのかも?
アスピリン(バイアスピリン)は炎症を抑える働きがありますが、血をサラサラにする薬として透析患者さんは脳梗塞や心筋梗塞の再発予防に使用していることがしばしばあるのです。他にはシロスタゾール(プレタール)やクロピドグレル(プラビックス)など。
なので、もし、アスピリンの抗炎症作用が透析患者さんの予後を上記の理由で改善するとしたら、もしかしたら透析患者における抗血栓療法(血をサラサラにする治療)の方針が変わるかも…なんて。
ちなみにアスピリンの内服で妊孕性が向上する(妊娠しやすくなる)という報告もあります。不妊の原因として炎症が関与しているというのが理由のようですけど。まぁこれは、鵜呑みにしなくていいかなと。胎児の影響もありますし。一般的に器官形成期の妊娠28−50日は飲まない方がいいですし、低用量アスピリンでも妊娠28週までにはやめたいですね。
まとめ
- 透析患者においてはLDLコレステロールをはじめ、中性脂肪やHDLコレステロール高値の場合の管理も厳格である必要はないかもしれない
- 上記の理由で、透析患者においてスタチンなど脂質異常症の治療薬を減薬/中止できる可能性のほか、炎症を抑制する投薬が予後を改善できるかもしれない
- また、脂質異常の治療薬の減薬は肝臓で代謝される薬が多くなりがちな透析患者にとって肝障害のリスク軽減のほか、多剤内服による副作用、服薬管理上も利益があると思われる。
今回は以上です。
脂質異常、スタチンに関してはこんな記事も書いています。