脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

熱中症が流行る時期〜汗をかきにくくなる薬について〜

暑い日が続いています。いかがお過ごしでしょうか。私の家は3DKですが、エアコンが1つしかなく、これ1台で部屋すべてをカバーするのがそもそも無理なのですが、サーキュレーターなどの力を借りながら室内のクーリングに努めています。

 

さて今回は熱中症の多い夏に気をつけたいこと、汗をかきにくくなる薬についてです。

 

効能として汗を抑えるというのではなく、いわゆる副作用での発汗障害ということになります。

私の専門領域ではてんかん片頭痛の患者さんに処方する薬のなかに含まれますが、

 

エクセグラン と トピナ という薬です。

 

これらは両方共抗てんかん薬というものでてんかんの患者さんに使用することが多いのですが、前者はパーキンソン病に、後者は片頭痛にも使用します。

 

両方とも実は副作用に発汗障害があります。

 

患者さんは「体に熱がこもる」というような訴えをされますので、やはり汗をかきにくくなるためではと思います。

 

私はこれらを飲んでいる方には今の時期、熱中症に気をつけるよう念押ししています。

 

そもそもなんで処方するんだと言われそうですが、やはり効くからなんですよね。

てんかん患者さんに関しては、以前まで単剤で処方できる薬としてエクセグランはいろんな先生がよく使用していたでしょうし。(今は他の薬がありますので、第一選択で処方する機会は減りました)

 

ただご高齢の方には注意しています。この2つの薬ですが、食欲がなくなり体重が減ってしまう方がいらっしゃるからです。発汗障害、食欲低下どちらも高齢の方では気をつけなければなりません。

 

しかし、若い方にはこの副作用が逆に好まれることがあるのです。汗をかかなくなる、痩せる(食欲低下により)ということで女性の忍容性が良い印象もあるのです。

 

てんかん薬は、他の薬にくらべ副作用や飲み合わせに気をつけなければなりませんし我々神経系の専門医出ない場合は安易に出すべきではないと思います。(そもそもてんかんの診断は社会的制約を強いるとこになりますので神経の専門医でなければ行うべきではないと考えます。)

副作用に関しては個人差があります。

エクセグランやトピナを使用していても全員が汗をかきにくくなるわけではありません。

 

 

 

 

患者さんのライフスタイルに合わせながら、副作用も味方につける そんなうまい投薬ができれば幸いです。

 

適度な水分摂取と体温管理をしっかりして、自分の健康を守り、暑い夏を乗り切りましょう!!

 

 

※最後に

薬は正しい使い方をしなければ毒です。

とくにてんかんに対して使用する場合は長い付き合いになりますから、発作を抑えることはもちろんですが、副作用で生活の質が下がらないようにしなければなりません。副作用が気になる方は早めに主治医に相談しましょう。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。