脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

糖質摂取が多いと早死なのか?先月こんな論文がでました。

いままで、脂質を抑えることが動脈硬化性疾患の予防になると言われてきました。かれこれ1950年代くらい?

ところが、最近では飽和脂肪酸の摂取と心血管系疾患および死亡率との相関がない、逆にリスクが低くなるという報告もでるようになりました。

 

 

そんななか、こんな記事が論文がでました。

 

Lancet. 2017 Aug 28. pii: S0140-6736(17)32252-3. doi: 10.1016/S0140-6736(17)32252-3. [Epub ahead of print]

Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study.

http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(17)32252-3

 

へ?なのこれ?こんなん難しいし読みたくねーよ、バーカ!と言われそうなので、わかりやすく、かいつまんでいきますね。

 

ざっくり言うと、

途上国から先進国まで世界18カ国の国の35-70歳の男女計15万人の食事内容を7.4年調査したところ、脂質やタンパク質を多く摂るほど長生き、炭水化物を多く摂るほど逆に早死にでした。

 

ということです。

雑すぎますかね?

 

世界18カ国とは高収入国3カ国(カナダ、スウェーデンアラブ首長国連邦)、中収入国11カ国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナポーランド南アフリカ、トルコ)、低収入国4カ国(バングラデシュ、インド、パキスタンジンバブエ)であります。

 

 

ここで、どうせオリーブオイルとかココナッツオイルを多く取っている人が長生きなんでしょ?とツッコミたくなりそうですが、そうではありません。飽和脂肪酸、1価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸どれでも、つまり脂肪の種類によらないのです。

 

論文のデータによると、炭水化物80%くらいの人(アイス、米、パンばっかり?)は炭水化物50%以下の人にくらべ死亡率3割増し…。

 

メディアや本で、

 炭水化物はいらない

 炭水化物は人類を滅ぼす!

くらいな発現をしている人がいますけどね(汗)

日本でもライザップなどで糖質制限ブームはまだ根強いですが。

 

私はそこまでは言いませんよ(笑)

 

この論文をうのみにすると炭水化物は50%、脂質は35%…それではタンパク質は15%になってしまいます。そのなのは私が大好きな筋肉が減ってしまいますし、骨粗鬆症のリスクだって増えます。

 

そもそも医療が発達している高収入国の方が炭水化物摂取が少ないですし(医療事情が交絡因子だね)、参加した国での食文化も違いすぎます。日本と同系統の人種である中国人のうち炭水化物摂取が50%未満の人が5%しかいない、42%は炭水化物7割超えです(毎日、ラーメン+炒飯なの?そんな馬鹿な!)

 

ということで、トップジャーナルから面白い論文がでましたが、鵜呑みにせずいきましょう。

 

栄養バランスはマクロ管理がいいですよ♪

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

こんな記事も書いています。

 

motsutaro.hatenablog.com