脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

医学部生への講義をして思うこと。

 

本日は当直明けからの、学生授業をしてきました。学生講義は結構久々です。

 

自分もそうでしたが、臨床医学の授業というのは寝ている人が多いですね。

 

今はわかりやすい参考書もありますし、国家試験の勉強も予備校のネット講義やその教材を使ってやりますので。

 

1万円以上する「標準◯◯学」みたいな本を買ってる生徒さんもそんなにいないかもしれません。

 

時代が時代ですから、スクリーンに出た講義のスライドを携帯のカメラで撮るヤカラもいます。さすがに患者さんの個人情報に関わる内容もありますので、あまり気持ちよくはありません。

 

 

私が心がけていることは、

  •   絵が多い
  •   文字が少ない
  •   問題形式を取り入れる

ということでしょうか。

 

単純に絵が少なく、活字の羅列ばかりのスライドは見ていて苦痛ですしね。

問題形式にするのは、印象に残るということが一番ですが、出題パターンもわかります。

 

私が学生の頃も授業よりは、試験前の先輩からの過去問を解きながら教科書を使った勉強してましたので、自分の経験からも効果的かと思います。

 

なので、

「ここ、試験に出るよー」

の一言で学生さんもこちらに意識を向けてくれますし、そういうのを小出しすることでなんとか退屈しのぎができればと考えています。

 

そして、

授業時間内に出来るだけ早く終わる

 

これが本当に大事です。予定時間の半分で終わると、後から事務方等にバレた時に困るのでだいたい2割くらい早く終わるようにしてます。

もちろん時限間の休憩もちゃんと確保します。

 

 

そんなところでしょうか。

 

医学部の場合は、

  • 学生さん自体が勉強出来る人、勉強の仕方を知っている人が多い
  • 良い参考書が昔より増えた
  • 授業する側も早く終わりたい(日常業務で多忙)
  • 先輩の遺産(過去問)が大事

といった理由で座学は少し熱心さにかけるところがあるかもしれません。

 

そんなんでいいのか!?という声も聞こえてきそうですが、逆にこちらも彼らのスタイルに合わせ、自分のやり方を変えていくことも重要だと考えます。

 

 

我々にとって、もっとも学ぶ場は現場です。それも責任を負ってから。

 

ですから、患者さんや同業者とトラブルにならないようなコミュニケーション能力や人間性、真心を育てるほうがよっぽど大事です。

 

ゆえに、学生時代の日頃の勉強よりも、アルバイト、恋愛、部活動などばかりになってしまっても私としてはそれでいいと思ったりしてしまうんですよね。

 

自分自身も学生時代はそうでしたから(笑)

 

 

よく、人の痛みがわかるようになったら子育ての大部分は終わり…だなんていう人もいますが、学生さんには患者さんに対して自分の家族のように接するということをよく言います。

 

患者さんや家族の抱える痛み、不安感などの感情を共感できる医療者になってもらいたいものです。

 

言うは易しです。

 

後輩ができたり、「先生」と呼ばれ勘違いして、尊大になってしまう人も沢山見てきました。

 

学生だけでなく、我々専門医も日々気をつけなければなりませんね。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。