脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

病院の外国人外来患者の受け入れと意思疎通の問題

今回は

病院の8割、外国人の外来患者受け入れ…日本語で意思疎通「困難」65%

(2017.9.1読売新聞より)リンクが下記です。

病院の8割、外国人患者受け入れ | m3.com

以下本文引用

「2015年度に外国人患者を受け入れた全国の医療機関は、外来患者で79.7%、入院患者では58.5%に上ることが、厚生労働省の調査で分かった。

 外国人旅行者が急増し、受け入れ態勢の整備が求められている。

 受け入れ実績があった医療機関のうち、日本語でのコミュニケーションが難しい患者がいたと答えたのは65.3%。こうした患者への対応に使った言語(複数回答)は、英語が56.8%で最も多く、次いで中国語が26.6%、日本語も26.0%となった。一方、医師と患者などの意思疎通を手助けする医療通訳を使ったことがあるのは12.7%だった。

 調査は昨年10~12月、救急患者を受け入れる病院など3761病院を対象に実施し、1710病院が回答した(回答率45.5%)。」

 

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このように外国人観光客は2012年から右肩あがりでして、東京オリンピックまではこの傾向はつづくと思われます。

 

私も病院に勤務していおりますが、まず自分も含めて英語が話せる病院スタッフが少ないですね。今は関東の病院に勤務しておりますが、通訳スタッフも少ない印象です。

 

私の地元浜松市ではブラジル人が多く、ポルトガル語の通訳の方が外来にいて、日本語が困難な方は通訳を交えながら診察を行っておりました。

 

外来はまだしも、入院中はとても大変ですね。英語はまだ良いのですが、それ以外の原語となると手術や検査の同意をとるのも一苦労です。

 

早急な対応としては書類や呼びたしの画面等の多言語化はのぞまれますが、きっと良い方法があったらすぐ実践されていますよね?

 

Google翻訳など通訳機器の向上がなんとなく一番早い気がしますが。

 

ドラえもんの「ほんやくコンニャク」、あれ本当にほしいです。

 

私の中で印象的だったのは銀座の薬局に行ったとき、外国人観光客がおそらく自分の症状を店員につたえ、それに応じて店員が市販の薬を紹介していた場面に遭遇したことです。

下手な医者に相談してイマイチな薬を処方してもらうより効果の広い市販薬の方がよく効く・・・なんていうのはよく言われることですが(笑)

医師免許のない店員がそんなことをしているのは不安ですが、こういうことが実は外国人観光客を陰ながら支えてくれていることは認識しないといけませんし、反省材料として改善がのぞまれるところだと考えます。

 

外国人受け入れ可能な医療機関の明確化はもちろんのこと、今後ますます増加する外国人観光客患者に備えて、より安心して日本を楽しんていただけるように課題は沢山ありますね。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。