医師の時間外労働に関する記事を読んで、文句が言いたくなりました。
前回は「脳外科少ない!悲しい・・・」という話だったので、今回は私の経験も交えながら時間外労働について書いてみたいと思います。
こんな記事があります。
googleで「勤務医 時間外労働」と検索するとすぐにでてきます。
この記事につきましてははてなブログ内で他の先生も論じていらっしゃることから同じような内容はさけたいと思いますが、率直な感想としては、
時間外労働60時間?普通でしょ。
アンケートの回収率16%は低すぎる、データの信頼性に疑問
一番時間外労働が多いのが救急医?なんで?
ということですかね。
これがですねー、また勤務先によってマジックがあるのです。
私が働いたことのある病院では
17-19時一律手当でまとめられていて、時間外労働として申請できるのは19時以降というルールのところがあったり、また時間外申請しても部長のチェックがなければ給料に反映されないというところがありました。
赴任前に院長やお世話になる科に挨拶にいくことがあるのですが、そこでは「時間外労働が月100時間を超えたら院長面談」と言われていて、赴任初日から3日間で時間外労働40時間いきましたよ(笑)院長面談ですか?一回もなかったです。
◯月1日(金)8:30-17:00オリエンテーション(カルテ操作、名札の写真撮影など)。23:00 呼び出し → 手術 帰宅できずそのまま◯月2日8:30から日当直。◯月3日夕方帰宅。
とかね。その月は時間外労働 200時間いきましたが翌月の給料明細では時間外労働23時間となっていました。 23時間ですよ!!
またあるときは
月 7:30出勤、そのまま当直
火 予定12時間手術 (帰宅は翌日朝3時)
水 8時からカンファレンス、当直
木 予定18時間手術 (帰宅は翌日朝5時)
金 7:30出勤、当直
土 時間外呼び出し(緊急手術5時間含む) 実労働7時間
日 午前に担当患者回診
↑こんなときもありました。この1週間で時間外労働は80時間超えです。
さて上記の1週間で何が問題か。
寝る時間は平日計10時間くらいだったんですけど、そもそもオーバーワークです。
として毎回当直明けに大きな手術に入る。当時は若手だったので長い手術の執刀になりませんでしたが、こんなの続けてたら壊れてしまいます。そして患者さんとしても上記のような医師に診てもらいたいと思うでしょうか。
大学病院勤務のときは非常勤職員扱い(日給13000円です)で時間外労働もつかず、3日に1回以上は当直でしたし、冠婚葬祭と娘の出産時以外はほぼ休んだことありませんでしたね。
若手が時間外の手術、緊急カテーテルに呼ばれるので、ほぼ毎日病院から連絡ありましたね。大学病院若手時代の給料を働いた時間で換算したら、時給1000円ですよ、震えます。
働かないで給料泥棒のような先生もいますが、概して医師はみんな私生活もそれなりに削りながら時間外労働もがんばっています。
上記アンケートを集計して喜んでいるお役所の方々、医師は高給取りだのクレームをつけるような方も、1週間くらい我々と一緒に働いてみてはいかがでしょう?♪
60時間で済むなら、だいぶハッピーです。
時間外を月50時間以内にするとお国は決めましたが、やれるものならやってください。不利益を一番受けるのは誰か…。
そして前回の続きになりましが、心筋梗塞・脳卒中など突然発症し命を脅かす病気の担い手がどんどん減っているなか、地方から治療難民が増える時代もそう遠くはないかもしれないですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。