脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

ケトジェニックダイエットとアトキンスダイエットの違い、ケトーシスになる最低限の栄養のとり方

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中途半端な糖質制限では体調が悪くなるという認識が少しずつ広まり、ケトジェニックダイエットと言う言葉も世間により一層浸透しつつつあるように最近は感じますが、今回は言葉の定義の話になります。

 

ケトジェニックダイエットとアトキンス・ダイエットの違いについてです。

共通点は、糖質制限と脂肪から主にカロリーをとることでケトーシスの状態を作り体脂肪を燃焼するということです。

違いはマクロ栄養素(Protein:タンパク質、Fat:脂肪、Carbonhydrate:炭水化物)の比になります。

 

ケトジェニックダイエットはカロリー比で

脂質 75-90%、タンパク質 5-20%、炭水化物 5%以下

にする方法です。

 

一方アトキンス・ダイエットは

アトキンス20:脂質 60-70%、タンパク質 20-30%、炭水化物 5-10%

アトキンス40:脂質 55-65%、タンパク質 20-30%、炭水化物 10-15%

とあり、後者の方が炭水化物の割合は多くなります。

 

糖質制限+高脂肪はてんかん患者の発作を抑える目的でも行われますが、ケトジェニックダイエットほど脂質を多く取らなくても上記のアトキンス・ダイエットで十分です。

 

そして、体を脂肪燃焼モードにするには、

正味の糖質を40グラム以下にすること、カロリーの2/3以上を脂質から摂ることを満たせば十分です。

正味の糖質とはなにか?海外のスナックにはNet carbという表記で明示されていますが。簡単に申しますと、炭水化物というのは糖質+食物繊維のことです。ですから炭水化物が20gであっても食物繊維が15gであれば糖質量は5gということです。

 

例えば、アボカドは炭水化物量としては多いですが、食物繊維が多いので、実際の糖質量はとてもすくないですよね。

 

 

別に糖質制限+高脂肪食(low carb high fat:ローカーボ ハイファット)を実践している人に対して、ケトなのかアトキンスなのかをいちいち突っ込むつもりはありませんし、脂肪燃焼効果はどちらもありますで…まぁお好きな方でという感じですね。

 

MCTオイルをまめに飲んで、肉の脂身や鶏皮、アボカドやくるみをたくさん食べる…そんな感じで食事を行えば脂質がカロリーの80%を占めるということになりますが、なれるまで結構辛いですよ。

 

むしろ、

  • ゆで卵に適当にマヨネーズつけて食べる
  • 鶏もも肉ヒレ以外の牛や豚
  • サバ、鮭ハラス

上記のようにほどほどにタンパク質を摂りつつ簡単に脂質がカロリーの2/3以上になる組み合わせを明示して、そうすれば十分ケトーシスになる、と言われる方が楽ですよね。アトキンスのような栄養バランスで十分なんですから。

 

 

今回はこのへんで。