脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

ケトン食ダイエットで体重が減らないときに考えるべき6つのポイント

今回は誰しも経験する(?)減量の停滞期についての考え方です。もっぱらケトン食を行っている人向けに解説します。

 

 

 

ケトン食(ケトジェニック)ダイエットも糖質制限ダイエットの1つですが、こちらを読んで頂ければ糖質制限とはただ炭水化物を控えればいいというほど単純なものではないことがおわかりいただけるかと思います。

f:id:motsutaro:20170928161307j:plain

 

まずケトン食ダイエットの本質を知ろう

ざっくり言うと、ケトン食ダイエットとは糖質を制限して、体の主なエネルギー源を糖ではなく脂肪(から作られるケトン体)にしてしまおうという方法です。

したがって、

糖質は極限まで減らす!

脂肪は沢山摂る!

に尽きるわけです。

 

さらにいうと、このケトン体をエネルギー源とする体になるとオイシイことがあります。

それはカロリー制限によるリバウンドのリスクが少ないということです。

 

カロリー制限とは生活代謝マイナス500キロカロリーくらいに摂取カロリーを抑えることをいいます。なぜ、500キロカロリーなのかと言うと、これくらいが代謝が落ちずに減量できるカロリーだからですね。もちろんこれよりもマイルドに食事制限してもいいですけど、減量のペースは落ちます。

で、これ以上カロリー摂取を少なくすることは望ましくありません。というのも、カロリーが足りないと、ヒトは糖新生といって筋肉を削って糖分に変える反応が体で起こってしまいます。

つまり、カロリー制限をやりすぎると筋肉が減ってしまうのです。そうして、筋肉減少により代謝も落ちていますから、食事を元に戻すと簡単にリバウンドするんですよね。

でもこれは、体の主なエネルギーが糖質だから起こる反応です。

 

カロリー足りない

   ⬇

エネルギー源を体のどこかから絞り出そう

   ⬇

エネルギーの源は糖だから、筋肉を糖に変えよう

 

となるわけです。

しかし、ケトン体がエネルギーのメインである場合は、エネルギー不足のとき体はケトン体を作ろうとしますので、筋肉を壊して糖に変えるのではなく、脂肪を分解してケトン体を増やす方向になります。

 

したがって、カロリー制限を生活代謝マイナス500キロカロリーまでにしなくても、もっとマイナスにしてよいのです。

 

脂質は1gで9キロカロリーありますが、脂肪は2割が水分ですので脂肪1キロで7200キロカロリーあります。単純に脂肪1キロを減らすためにはカロリー制限で2週間かかります。

しかしながら、ケトン食であればより少なくカロリーを抑えることができ、リバウンドも少ないので、人によっては月に4−5キロとか10キロなんて減量もできたりするのです。

 

しかりながら、そんなケトン食でも減量ペースが落ちてしまう、場合によっては体重が増えてしまうことがありますので、そのようなときのチェックすべきポイントを見ていきましょう。

 

6つのチェックポイント

1.ケトン体質でなくなっている

これは糖質のとりすぎです。糖質を減らし、脂質を多く摂るようにしましょう。

糖質は一日20g以下もしくは総カロリーの5%以下に抑えましょう。

基本的には甘い味付けはできないですし、野菜の糖質も気にしなくてはいけません。

野菜は葉物、ブロッコリー、キノコを中心に食べましょう。ケトン食では便秘になる人が多いです、特に女性。きのこ類、オリーブオイル、水分を多く摂りましょう。

 

2.MCTオイルなどエネルギーになりやすい脂質が不足している

MCTとは中鎖脂肪酸のことです。市販のMCTオイルや、ココナッツオイルを摂ることを意識しましょう。調理に使う、サラダのドレッシング使用する、コーヒーに混ぜるなどすれば摂りやすいと思います。私もブラックコーヒーにMCTオイル3gくらい混ぜて飲んでいます。

 

3.カロリーを摂りすぎている

報告ではケトン食であれば一日4000-5000キロカロリーでも太らないとも言われていますが、生活代謝以上に食べているかどうか、ご自身の食事内容を見直しましょう。

多くの方は当てはまる軽労作の人は基礎代謝×1.3が生活代謝です。

ちなみに欧米のサイトでは看護師も軽労作に入っています。

 

★運動レベルに関して参考までに下に載せておきます(また後ででてきます)

  • 運動をほとんどしない人:運動はしてもウォーキング程度もしくは運動週間なし。事務職、デスクワークなどの職業
  • 軽度の活動量の人:週1-3回、軽い有酸素運動(ウォーキング、軽いサイクリング)のような軽い運動、教師や看護師などの軽度の労作の職業
  • 中程度の活動量の人:週3-5回、中程度の有酸素運動や筋力トレーニング、ウェイターや料理人など中程度の動く職業
  • 非常に活発な人:週5回かそれ以上、激しい有酸素運動、フィットネスレベルの筋トレ、建設業、農業などの重労作の職業

 

 

 

4.脂肪がつかずに筋肉が増えている可能性

これは筋トレをしている人の場合ですね。こうであればまだハッピーです。体脂肪率をチェックしましょう。

 

5.タンパク質のとりすぎ

タンパク質の摂取量は、簡単には体重をkgからポンド計算します(1kgは約2.2ポンドです)。そのあと体脂肪分を減らしたものが一日のタンパク質摂取量の上限です。

つまり、除脂肪体重のポンド換算が一日に食べることができるタンパク質の上限です。

 例;体重60kg、体脂肪率20%の場合

   60×2.2=132ポンド

   132×(100-20)/100=105.6=タンパク質の上限

 

しかしながら、何も運動しない人と筋トレをハードに行う人では当然タンパク質の摂取量も違いますので簡単に記載します。

 

*一日のタンパク質の摂取量の目安*

  • 運動をほとんどしない人:除脂肪体重(ポンド)×0.6=除脂肪体重(kg)×2.2×0.6
  • 軽度の活動量の人:除脂肪体重(ポンド)×0.7=除脂肪体重(kg)×2.2×0.7
  • 中程度の活動量の人:除脂肪体重(ポンド)×0.8=除脂肪体重(kg)×2.2×0.8
  • 非常に活発な人:除脂肪体重(ポンド)×0.9=除脂肪体重(kg)×2.2×0.9
  • タンパク質摂取の上限:除脂肪体重(ポンド)×1=除脂肪体重(kg)×2.2×1

 

※各活動量の詳細は前述の通り。

※タンパク質を上限まで取る人はアスリートやボディビルダーです。

 

6.脂質の摂取が少ない

多分これが原因として一番多いと思います。

ケトン食中のマクロ栄養素(タンパク質、脂質、糖質)のバランスですが、

  • 脂質は総カロリーの60-75%(それ以上でもよい)
  • タンパク質は総カロリーの15-30%
  • 糖質は総カロリーの5-10%

 

が目安になります。

 

たとえば、

30歳男性、身長165cm、体重60kg、体脂肪率20%、事務職の人の場合

  除脂肪体重は48kg(105ポンド)

  基礎代謝は1627 キロカロリー

  生活代謝基礎代謝×1.2=1952キロカロリー

  タンパク質は除脂肪体重(ポンド)×0.6=63g(=252キロカロリー)

  糖質を20g摂取するとするとそれだけで20×4=80キロカロリーですので

  脂肪で1952-252-80=1620キロカロリー、つまり180gの脂質をとることになります。  

この場合、体重維持のためのマクロ栄養素バランスはタンパク質63g、脂質180g、糖質20gとなりますが、そこから前述の通りタンパク質が総カロリーの15-30%、脂質が少なくとも60%となるように脂質の量を減らしていながらカロリー制限をすればよいのです。

タンパク質は252キロカロリーですから、その倍の504キロカロリー分(=56g)は脂質をとらなくてはなりません。

 

脂質は56-180gの間で調節しながら、体の反応をみて摂取カロリーを考えましょう。

 

詳細は下記のブログに譲りますが、タンパク質1:脂質2のバランスで大丈夫です。

motsutaro.hatenablog.com

 

 

最後に

電卓とにらめっこして、客観的に数値化し、その通りに食事をすればちゃんと結果はついてきます。

 

例外は

  • 筋トレをしている人で、トレーニングしすぎで筋肉が減ってしまっている
  • 甲状腺機能低下症

あたりになります。

前者はありがちです。カロリーがプラスバランスにならなければ基本的に筋肉は増えません。筋肉の原動力である糖質がそもそも少ない状態ですので、やりすぎに注意し、斤量維持につとめましょう。

後者は病院に行きましょう。

 

 

参考になれば幸いです。

では。