脳外科医もつの日常

30代、中堅?脳神経外科医の日々のつぶやき。医療、プライベート、趣味など気ままに書いていきます。

コードブルー 第4話の感想、脳外科的視点

更新が遅くなりました。コードブルーの先週の話、今更ですが。

 

 

ネタバレ嫌な方はいつも通りここでやめてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年が首に尖ったもの刺さってましたね。

(すいません、何が刺さったのか自分もそのへんは当直中でよく観ていません)

 

 

外傷性動脈瘤ができていましたね。

 

頭の中に血液を送るメインの血管は4本あります。頸動脈(正しくは内頸動脈)と椎骨動脈が左右で計2本ずつあります。2本の椎骨動脈はと途中で合流し脳底動脈という一本の血管になります。そのあとまた二股に分かれ後大脳動脈となるわけです。後大脳動脈には後交通動脈という血管があり、それが同じ側の内頸動脈を結んでいます。ですから、脳内の太い血管は前交通動脈で左右の内頸動脈を、後交通動脈で同じ側の内頸動脈と後大脳動脈を結んでおり、ちょうど輪になっているので、どこかの血管がダメになっても脳の血流を保とうとする構造があるんです。

 

 

コードブルーの患者さんですが

確かに前交通動脈を介して反対側からの血流はなさそうですが、若い人は椎骨動脈から後交通動脈を介した血流もあるしなー…なんてね。

 

もう少し血流の評価してもいいんじゃないかと思います、正直いいますと。

 

しかしながら、今回の外傷性内頸動脈瘤は、我々脳神経外科ではなかなか珍しい症例で、研修医の名取先生(Hey!Say!JUMP有岡くん)がスラスラと答えてましたが、はっきりいって専門医前の若手脳神経外科の先生も、試験勉強してなければあんなに答えられないんじゃないかなーと思います。

 

そして、その症例で、首の内頸動脈の確保や腕の血管(橈骨動脈)を使ったバイパスも、若手だけでやることはないと思うんですよねー。

 

 

ドラマだからといえばそうなんですけど、結構手術の内容としては高度なことやってますよよ。。。

 

 

そして、話は変わって終わりに小脳腫瘍の女の子が痙攣している(?)場面がありましたねー。

小脳腫瘍ではあまり痙攣はないのと、それだけ頭の圧が高くなっているなら意識もあやしいんですが…。医学生は、あの光景をあまり鵜呑みにしないようにといいたいですね。

 

 

話は少し変わります。橘先生の息子さんが吐血していました。

ストレスからの消化管潰瘍が原因だそうで、これはよくあるといいますか、大事ですね。

 

頭の病気も実はストレス性の胃潰瘍などは起こりやすいのです。胃薬を患者さんに使います。

 

特に脳梗塞の場合は治療に血をサラサラにする薬(抗血栓薬)を使いますが、胃潰瘍で吐血すると血が止まりにくくなりますし、これにより血液が減ってしまい血圧が下がり、頭の血流が悪くなることでさらに脳梗塞を作ってしまうことがあります。

 

橘先生の息子さん(ユウスケくん」もおそらく抗血栓薬を使っていたと思いますので、胃薬はもちろん使用していたでしょうし。

入院患者、特に集中治療室患者のストレス性消化管潰瘍は大事ですので、これは研修医の先生や学生も抑えておきたいところでしょう。

 

今度の学生さんの試験問題にも採用するのもいいですね。

 

 

 

えーと、一般の方向けのポイントは、

血をサラサラにする薬は副作用に消化管潰瘍があるため、胃薬とセットで処方することが多い

というところでしょうか。

 

 

 

 

 

では、今回はこの辺で。

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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